当核研究計画では、数学と理論物理学において最近大きな関心が集まっている量子群について、超対誕ソリトン理論の涼子群の構造と超対称な量子群の量子空間での実現に焦点を当て研究を隊行した。前者については、N=2の超対称性を有するサイン・ゴルドン理論の量子論での保存電荷とそれの満たす代数を摂動論で調べた。この理論の根低に存在する対称性は量子アフィイン代数slq(2)とN=2超対称代数で、超対称トポロジカル・チャージがN=2のソリトン構造およびS-行列を決定する上で非常に重要な役割を演じているのが明らかになった。これらの総合的な報告はProg.Theor.Phys.Suppl.110(1992)p.347-363に発表した。さて一方、超対称な量子群を実現する方法として量子平面(空間)の超対句化を行いこの空間での非可換微分算法を調べた。特に、その典型的な例として一般線形超対称群GLq(m|m)についてヤン・バクスター方程式を満足するR-行列の具体的な形を求めた。また、この結果を用いて、この量子空間に対応する量子位相空間を構成し、これによって超対句な量子群であるOSpq(2n|m)を実現し、そのR-行列を導くことを隊行した(Z.Pjys.Cに論文で発表)。また、口頭では7月に富山大学で開催された量子群の研究会と10月に新潟大学で開かれた物理学会で発表した。従来、量子群のほとんでの応用は内部対称性に対応したLie群とLie代数の場合に限られていた。極めて興味深いのは、時空の対称性の量子変形である。この観点らり4次元のコンフォーマル代数の量子化をSlq(4)に対応した量子空間を構成することによって研究し(Z.Phys.Cに掲載予定)、ポアンカレ代数のq-変形を導いた。本計画の実施において、国内各地の関連する分野の研究者との討論・研究交流が有易・不可欠であったことを申し述べたい。尚、予算執行としては旅費の他、研究隊行および論文作成に必要な書籍、コンピュータ用の付属的用品ならびにソフトウェアを購入した。
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