研究概要 |
q-変型アフィンリー代数U_q(sl_2^)のq-変型頂点演算子について、存在と一意性、2点関数、および交換関係について研究した。一昨年、q-変型アフィンリー代数に対応するq-変型頂点演算子がFrenkel-Reshetkhinによって導入され、その一般的性質が明らかにされた。我々は、q-変型アフィンリー代数U_q(sl_2^)に対して、このq-変型頂点演算子の存在と一意性を調べ、それらの2点関数、および交換関係を具体的に計算した。q-頂点演算子の存在と一意性については、q=1の場合と同様に、特にintegrable表現に対して,いくつかの結果が知られている。我々は、U_q(sl_2^)について知られている、singular vectorの具体的表示を用いることにより、integrable表現に限らず、一般のdegenerate表現について、q-変型頂点算子の存在条件を具体的に与えた。また、存在すれば一意的であることも示した。これは、q=1の場合に我々の結果の拡張である。我々はTsuchiya-Kanie理論にならって、U_q(sl_2^)で2点関数がq-超幾何関数に帰着される場合、すなわち、2つの外線spinのうちj=1/2である場合ついて、具体的に以下の計算を実行した。まずspin configuration(j1,j2,1/2,j4)に場合にq-KZ方程式を解き解をq-超幾何関数で具体的に与えた。次に、q-超幾何関数に接続公式を用いることにより、q-変型頂点演算子の交換関係を計算した。結果として交換関係に現れる行列が楕円的Yang-Baxter方程式の解(およびそのfusion)で与えられることを示した。q-KZ方程式の解は、積分表示を持つと一般に期待されている。U_q(sl_2^)の場合には、いくつかのグループにより、そのような表示が得られている。我々は、それらの一般化およびその接続問題への応用を試みている。
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