研究課題/領域番号 |
04246101
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 良次 東京大学, 工学部, 教授 (80013811)
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研究分担者 |
笠井 健 大阪大学, 健康体育部, 教授 (30029459)
彦坂 興秀 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (70120300)
丹治 順 東北大学, 医学部, 教授 (10001885)
篠田 義一 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (60010104)
佐々木 和夫 京都大学, 医学部, 教授 (20025539)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
29,000千円 (直接経費: 29,000千円)
1992年度: 29,000千円 (直接経費: 29,000千円)
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キーワード | 随意運動 / 前頭連合野 / 小脳 / 補足運動野 / 大脳基底核 / 眼球運動 / ニューラルネット / 運動プログラム |
研究概要 |
随意運動を行うためには、脳ではどのような情報処理をしなれけばならないか。この手順を考察することが随意運動の計算理論である。本研究では、この計算理論的研究とその神経生理学的な実体を対象とした実験的研究とを統合して、運動のプログラミングと制御のメカニズムを明らかにすることを目標としてきた。 運動出力系の幹ともいえる連合野から脊髄にいたる階層系の中で、大脳連合野の働き、運動前野・補足運動野での細部にわたっての機能分担、リズム発生回路の性質、運動器官でのインピーダンス制御の仕組みなどが明らかにされたが、小脳および大脳基底核の役割についての研究も大きな進展がみられた。すなわち、運動スキルの学習についてフィードバック誤差学習法による運動系の逆ダイナミクスの研成のモデルと、小脳を含む眼球運動制御系での生理学的実体との対応付けが可能になった。一方、大脳基底核については、大脳皮質との間での情報の循環的経路が見い出され、これが行動に関する記憶の形成に使われていること、また、大脳基底核は、行動の結果の予測、組立、抑制など大脳皮質からの精緻な情報と辺縁系からの行動の評価信号にもとづいて適切な行動の選択をおこなっているというスキームが明らかにされた。 まとめてみると、小脳と大脳のループのよって、動きそのものが学習される一方、大脳基底核と大脳のループは、運動の手続きを学習していると考えられる。前者については、対応させるべき計算理論が提出されているわけであるが、後者についてはこれからの課題として残された。今後はこれを含め、運動制御系全体を階層的に統合する計算理論を構築することが要請される。
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