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脳の情報処理機構のダイナミクス

研究課題

研究課題/領域番号 04246213
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関東京工業大学

研究代表者

西森 秀稔  東京工業大学, 理学部, 助教授 (70172715)

研究期間 (年度) 1992
研究課題ステータス 完了 (1992年度)
配分額 *注記
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1992年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード神経回路網 / ダイナミクス / 想起過程
研究概要

脳の情報処理の簡単なモデルとして自己結合型の神経回路網を取り上げ、その想起課程のダイナミクスを解析した。ニューロンの2値モデルにおいて、シナプス結合をヘッブ規則で与える。適当な初期条件から開始して、通常のしきい値ダイナミクスに従って平衡状態に達するまでの経過をどう記述するかが課題である。全入力ポテンシュルを信号とノイズに分け、ノイズ部分についてはガウス分布をする統計変数としての取り扱いをすると、系のマクロな状態の記述が可能になるという提案が甘利と馬被によってなされた。私たちはモンテカルロシミュレーションによって彼らの仮説の成立条件を調べた。その結果、想起が成功する場合には甘利・馬被理論が正当化されるが、想起に失敗するときにはノイズの分布がガウス型から大きく外れることが明らかになった。
以上を踏まえて、私たちはミクロなダイナミクスが、「温度」をパラメータとする確率過程で表される場合に甘利・馬被理論を拡張した。その結果は、平衡統計力学を同じ問題に適用して導かれた相図とよい一致を示した。まったく違った基礎を持つ2つの方法で導かれた結果の一致は、これらの信頼性を裏付けるものといえる。
状態更新に確率過程が含まれる場合の解析にも甘利・馬被タイプの議論が使えることが明らかになったので、さらに各ニューロンの入出力関係が非単調関数になっている状況においても、ダイナミクスを同様にして取り扱うことを試みた。非単調入出力関数を、非単調な発火確率ダイナミクスで表現することにする。ガウスノイズの仮定を使って想起のマクロダイナミクスを求める。その結果ある種の非単調な入出力関数の場合には記憶容量が通常のシグモイド関数よりも増加することがわかった。非単調な関係は、側頭葉での短期記憶の保持においてなんらかの役割を果たしている可能性が指摘されており、そのダイナミクスが理論的に解明されたことの意義は大きい。

報告書

(1件)
  • 1992 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 西森 秀稔,尾関 智子: "Retrieval dynamics of associative memory of the Hopfield type" Journal of Physics.

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書

URL: 

公開日: 1992-04-01   更新日: 2016-04-21  

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