研究課題/領域番号 |
04246217
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 福井医科大学 |
研究代表者 |
玉巻 伸章 福井医科大学, 医学部, 助手 (20155253)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1992年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | NMDAレセプター / 海馬 / CAI / CA3 / 錐体細胞 |
研究概要 |
海馬のスライスでよく研究されているLTPの形成錐持の研究の流れにおいて欠落した領域がある。LTPの形成にはNMDA receptorの活性化が必要であるが、いずれの実験においても、活性化のための脱分極は、人為的刺激ないしは細胞内通電によっている。生体内に於いてこの脱分極が如何にして形成されるかを調べることは、海馬の役割及び仕組みを考える上で欠くことが出来ない。具体的には、CA3錐体細胞どうしが、同期活動現象に重要な働きをする連合線維の、何個のシナプスによって結合しているかを形態学的に調べる。次にCA3錐体細胞とCA1錐体細胞が何個のシナプスで結合しているかを調べ、同期活動し得るCA3錐体細胞の数と、unitEPSPから、CA1錐体細胞に起こり得る脱分極の大きさを見積ることにあった。 この目的のために、複数神経細胞を同時に違った物質で染色し、二つの神経細胞のつながりを、光顕電顕両レベルで観察する技術が必要である。Neurobiotinを単一の神経細胞に注入し、Co-DAB反応で黒色に標識する。次に複数の神経細胞にLucifer Yellowを注入し、Avidin Biotincomplexを付け、DAB反応で褐色に標識する、以上の手順によって、一個の錐体細胞からの軸索はBiocytinで黒色に標識され、他の錐体細胞は主に樹状突起がHRPで褐色に標識される。この方法で錐体細胞どうしのシナプス結合の数を確認することを試みて来た。海馬の錐体細胞の樹状突起と軸索は、スパインを介してシナプスを形成するので、光学顕微鏡レベルでは、樹状突起と軸索の接触という形では捕らえられないという問題点が、明らかになってきたが、光顕により樹状突起と軸索の近接を、各々の錐体細胞で勘定すれば、過大評価する事はあっても過少評価する事はないとおもわれるので、光顕でも一定の概算が可能と考え、現在この法方でデータを収拾中である。
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