研究課題/領域番号 |
04246244
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
有國 富夫 日本大学, 医学部, 教授 (70028348)
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研究分担者 |
山下 晶子 日本大学, 医学部, 助手 (30246889)
志水 巌 日本大学, 医学部, 講師 (00125056)
酒匂 裕子 日本大学, 医学部, 講師 (90139139)
今田 正人 日本大学, 医学部, 助教授 (30203318)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1992年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 前頭前野 / 帯状回 / サル / 内側側頭葉 / 海馬 / 海馬傍回 / 視床 / 脳幹 |
研究概要 |
前頭葉の外側面皮質、すなわち前頭前野・運動前野・運動野は、海馬ならびに海馬傍回の領域と直接結合しない。前頭葉外側面皮質の入出力情報を海馬や海馬傍回へ送ったり、逆に海馬の情報を前頭葉外側面皮質へ送る中継領域の存在が想定される。この研究はそのような中継領域の1つが帯状回ではないかと仮定して始めた。サルの帯状回は前部の24野と後部の23野に大別される。実験では、ニホンサルの帯状回の24野にレクチン付加西洋わさびペルオキシダーゼ(WGA-HRP)を注入、2日後に脳を潅流固定した。脳の凍結切片を作り、TMB反応を行って、WGA-HRPを持つ神経細胞と神経終末を染めた。HRP標識神経細胞とHRP標識神経終末は常に同じ所にあった。24野と同側前頭葉皮質との間の結合前頭前野では、その吻側領域にHRP標識神経細胞と神経終末が非常に多かった。運動前野では、上運動前野の6aβ野に常に多数のHRP標識神経細胞と神経終末があった。運動野には、注入したHRP溶液が帯状溝の腹側壁の24c野または24d野の1部にまで広がった時に、HRP標識神経細胞と神経終末が見られた。 これらの所見から、24野は前頭前野の吻側領域と強く双方方向結合する。24野と同側の海馬および側頭葉皮質の間の結合HRP標識神経細胞と神経終末が、海馬のPro-subiculumの全吻尾域にわたって出現した。したがって、24野は海馬のProsubiculumと双方向結合する。HRP標識神経終末はアンモン角のCAI区域の分子層にも見られた。HRP標識神経細胞は嗅内野(28野)のV層に、35野と36野(嗅周皮質)TH野、TF野、TE野(後部のみ)のVとVI層に、出現した。HRP標識神経終末もこれらの領域に見られた。24野は28野(嗅内野)と強力に双方向結合する。側頭葉皮質では、上側頭回皮質のTs1野とTs2野に、上側頭溝の上壁のPro野,TPO野、TAa野、とその底部のPGa野,IPa野に、下側頭回皮質のTE3野にHRP標識神経細胞と神経終末が見られた。24野と同側の皮質下領域との間の結合次の部位に、HRP標識神経細胞と神経終末が見られた。前脳基底部の対角帯、マイネルトの基底核、内側中隔核。扁桃体のBL核、AB核など。視床の網様核の吻側部、前核、VA核、MD核、VLM核の内側端、内側沈核、正中核、Li核。中脳の背側縫線核、SC核、PPTgD核、中脳網様体。橋の青班核、RPO核、Guddenの背側被蓋核。延髄のMLF近傍の網様体と錐体路の背方の網様体。
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