研究課題/領域番号 |
04248207
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
柴田 洋三郎 九州大学, 医学部, 教授 (90037482)
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研究分担者 |
岡山 俊直 九州大学, 医学部, 助手 (60243929)
飯田 弘 九州大学, 医学部, 講師 (70150399)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1992年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ギャップ結合 / 心房筋 / 心室筋 / コネキシン / 混合培養 / 色素伝播 / 免疫蛍光法 |
研究概要 |
心房筋と心室筋の混合培養:細胞の由来同定を容易にするため、培養3日目の成獣ラット心房培養細胞層に生後3日目の新生児ラット心室筋を同じ方法で単離したものを混合し、成獣由来の大型細胞と新生児由来の小型細胞との間での異種細胞間の接着・結合を形成させ、異種細胞間での細胞間結合の特性解析を試みた。 (1)培養3日目の成獣心房筋はまだ同期した拍動を示していないが、新生児心室筋を加えると約6時間後から、同期拍動がみられるようになり、これには主として小型の新生児細胞と大型の成獣細胞の間、小型の新生児細胞を介して成獣細胞の間、小型の新生児細胞を介して成獣心房細胞の間など、いづれも新生児由住の小型細胞が関与することがわかった。この伝達促進機構としては、新生児細胞がペースメーカー細胞としての役割をはたす、液性因子の分秘による、又は細胞密度の増加ないしは大型細胞間に小型細胞が介在することによる接触頻度の増加などの可能性をさらに詳しく検討する必要がある。 (2)電子顕微鏡観察によると、成獣大型細胞の突起が小型細胞の核近傍の胞体に接着し、ギャップ結合を形成している像がみられた。小型細胞は、筋原線維の配列が未発達なことなどから、新生児心室筋細胞と推測された。 (3)心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)への抗体により、大型細胞は豊富なANP顆粒を胞体に含み心房筋細胞由来であることが確認され、一方接着する小型細胞は核周辺に少量の顆粒を認めるのみであった。とくに心室筋由来細胞での結合形成による顆粒増加傾向は認めなかった。 (4)心筋型ギャップ結合蛋Cx43に特異的な抗体を用いて免疫標識を行うと、両種細胞間に特異蛍光が点状に分布することがみられ、ギャップ結合の存在分布が確認された。 (5)Scrape-loading法により、両者間の色素伝播観察が認められ、各種ギャップ結合連絡の抑制薬剤の投与に対しては、成獣心房筋培養系とほぼ同様の減少低下を示した。 以上の観察から、この混合培養系にいても成獣心房筋培養細胞と同様のギャップ結合連絡の特徴が認められた。今後はさらい、混合培養したことによる伝播促進の機構を含め、さらに詳しい解析を進めていきたい。
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