研究課題/領域番号 |
04248208
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
金出 英夫 九州大学, 医学部, 教授 (80038851)
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研究分担者 |
浦部 由利 九州大学, 医学部, 助手 (10240904)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 心筋 / アシドーシス / BCECF / カプトプリル / 虚血・再潅流 |
研究概要 |
ランゲンドルフ型潅流ラット心臓を用いて、虚血・再潅流不整脈とpHとの相関、さらにはこれに及ばすアンジオテンシン変換酵素阻害薬カプトリル(CAP)の効果について検討した。CAP(150および450μg/ml)投与群、アンジオテンシンII(AT-II)投与群、コントロール群(C)の3群を作製した。心臓にpH指示色素BCECFを取り込ませ、心筋pHを表面蛍光測光した。左冠動脈を15分結集、次いで再潅流した。 虚血・再潅流に際し、C群では80%に期外収縮、50%に心室粗細動が観察された。CAP群では、期外収縮は見られたが、心室粗細動は全く無かった。pHは、左冠動脈結紫直後は全群で軽度アルカローシマを示し、その後、アシドーシスに転じ、時間経過とともにこれが増強した。CAP群はC群よりもアシドーシスの程度が軽く、虚血15分後もpH7以上を維持した。AT-II群はC群よりもアシドーシスの程度が重く、結紫1分からアシドーシスの傾向を示した。再潅流1分後、CAP群はアルカローシスの傾向を示した。発生張力は全群とも結紫直後から低下傾向を示したが、CAP群はC群よりも虚血・再潅流を通じて低下程度が軽かった。AT-II群とC群の発生張力には、虚血・再潅流を通じて差が無かった。 これらの結果は、CAPが、心筋虚血・再潅流において不整脈の発生を抑え、細胞内pHの低下と心筋張力低下を軽減させることを示している。不整脈とpH変化との因果関係やpH低下のCAPによる阻害機摩については、今後の研究が必要である。
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