研究課題/領域番号 |
04250103
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)東京都老人総合研究所 |
研究代表者 |
安藤 進 (財)東京都老人総合研究所, 生体膜部門, 研究部長 (30073000)
|
研究分担者 |
阿相 皓晃 慶応義塾大学, 医学部, 講師 (30104160)
小幡 邦彦 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (60013976)
佐武 明 新潟大学脳研究所, 教授 (70018589)
辻 崇一 理化学研究所, 国際フロンティア研究システム, チームリーダー (90124677)
加藤 宏司 山形大学, 医学部, 教授 (30006746)
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
27,900千円 (直接経費: 27,900千円)
1992年度: 27,900千円 (直接経費: 27,900千円)
|
キーワード | ガングリオシド / シナプス / アセチルコリン / タンパク質リン酸化 / アストロサイト / ニューロン分化 / 生長円錐 / 神経線維伸展 |
研究概要 |
ガングリオシドが神経機能をどのように修飾、活性化するかを明らかにする研究を行ってきた。おもな4つの方向、すなわちシナプス機能の可塑性、シナプス蛋白質のリン酸化、神経線維の伸展と接着現象、ニューロンの分化調節の問題にアプローチした。 シナプス機能がガングリオシドによって促進されることは2つの系で明らかにされた。おもに前シナプスから由来するシナプトソームを調製して、アセチルコリン放出とNa/K-ATPase活性への効果をみた。アセチルコリン放出はガングリオシドによって200-250%促進された。Na/K-ATPase活性も上昇した。これらの知見は老齢脳のアセチルコリン放出の低下、および静止膜電位の減少を改善するうえで役立つものと考えられる。一方、海馬切片を用いるシナプスの長期増強の系では、ガングリオシド添加によって平均500%増大することが示された。これらのことから、ガングリオシドがシナプス機能の可塑性を賦活することがわかった。第2点の蛋白質リン酸化の研究では、ガングリオシド依存性キナーゼでリン酸化されるシナプス蛋白質72kDaを単離してcDNAクローニングを行った。cAMPキナーゼに対する新しいフォスフォノ糖脂質の活性化効果を見出した。第3の神経線維伸展の面では、生長円錐の解析と、タイプIIアストロサイトにおけるA2B5反応性ガングリオシドと細胞接着分子NCAM発現との関連の分析を行った、細胞接触阻止と細胞表面ガングリオシドの関係も一部明らかになった。第4のニューロンの分化の問題では、ニューロブラストーマの系で特にC系列ガングリオシドの軸索成長効果を見出した。新しく同定された0-アセチル化ガングリオシドが分化に関連して発現することも嗅細胞の系で明らかにした。一方、レチノイン酸でニューロンに分化するP19細胞において、ガングリオシドを増加させる遺伝子としてc-junとB-HLHを同定した。
|