研究課題/領域番号 |
04253205
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
村山 芳武 東京大学, 医学部(分), 助手 (40219952)
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研究分担者 |
岡本 卓 東京大学, 医学部(分), 助手 (60240719)
西澤 真生 東京大学, 医学部(分), 医員
池津 庸哉 東京大学, 医学部(分), 医員
大国 義弘 東京大学, 医学部(分), 助手 (70203726)
尾形 悦郎 (財)癌研究会癌研究所, 部長 (70013761)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1992年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | IGF-II受容体 / GTP結合蛋白 / APP(アルツハイマー蛋白前駆体) / アルツハイマー病 / Go / Gi2 / 合成ペプチド |
研究概要 |
我々は、抗G蛋白抗体でコートしたELISA plateを用いて、調製細胞膜に対するGTPrS結合活性を見ることによって特定のG蛋白の活性を細胞膜の系で検出する新しい方法を開発した。インスリン様増殖因子II型受容体(IGF-IIR)の細胞内領域の2410残基-2423残基領域(ペプチド14)欠損した変異IGF-IIRを細胞膜に発現してGi2に対するGTPrS結合活性をこの方法で調ベた。その結果、IGF-IIによるGi2活性化がほとんど見られなかった。このことから、IGF-IIRがペプチド14領域を介してGi2と共役することがわかる。 すでに我々は、ペプチド14の構造上の特徴から、G蛋白活性化配列criteriaを得ていた。これを受容体以外の蛋白についても適用した。具体的には受容体様講造をしているがその機能が明らかでないAlzheimer amyloid protein precursor(APP)の細胞内領域に我々のcriteriaを満たす配列を発現したので、当該領域の意義について検討した。APPは1回膜貫通構造をとっているが、その細胞内領域に一箇所、657-676残基(HHGVVEVDAAVTPEERHLSK)に我々のcriteriaを満たす配列が存在する。この20残基の合成ペプチド(ペプチド20)が時間依存性、容量依存性にGoを活性化し、APP695の他の領域にはGo活性化能がないことが判明した。ペプチド20によるGoに対するGTPrS結合能上昇はMg^<2+>濃度が100nMから1mMの範囲でみられること、百日咳毒素を処理したGoでは効果が弱くなることも明らかとなった。次に我々は、APPに対するモノクローナル抗体と抗G蛋白抗体を用いてAPPが特異的にGoαと共沈することを示した。次に変異APPを細胞膜に発現させて、in vivoの係でAPPがペプチド20領域を介してCoαと関わっていることも証明した。これらの結果から、アルツハイマー病の原因にGoが何らかの役割を果たしている可能性が高い。今年度はIGF-IIRばかりでなく受容体以外の蛋白についても、我々のG蛋白活性化配列criteriaが有用であることを示した。
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