研究課題/領域番号 |
04253211
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鶴尾 隆 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (00012667)
|
研究分担者 |
永沼 章 北里大学, 薬学部・公衆衛生学教室, 助教授 (80155952)
八巻 寛 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (30013329)
冨田 章弘 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (40251483)
内藤 幹彦 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (00198011)
中島 元夫 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (90240738)
遊佐 敬介 (財)癌研究会, 癌化学療法センター, 研究員 (30200869)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
55,000千円 (直接経費: 55,000千円)
1993年度: 30,000千円 (直接経費: 30,000千円)
1992年度: 25,000千円 (直接経費: 25,000千円)
|
キーワード | P-糖タンパク / 抗癌剤耐性 / 耐性タンパク / 耐性遺伝子 / 分子標的 / 耐性克服 / アポトーシス / 癌転移 / モノクローナル抗体 / カルシウム拮抗剤 / ユビキチン |
研究概要 |
難治性癌の分子機構、難治性癌の診断法と治療法、抗癌剤の新しいターゲット、転移性癌細胞の特性の解明とその制御、などについて研究を行なった。これらの研究に対し、以下の主要な成果を得た。 1.難治性癌の分子機構の解明:P-糖蛋白質のエピトープを解析することにより、P-糖蛋白質の三次構造の情報が得られた。耐性細胞において発現している85kDa蛋白質のcDNAのクローニングと塩基配列決定により、85kDa蛋白質は接着因子CD36と同一であることが明らかになった。耐性への関与は未知である。 2.難治性癌の診断法と治療法の研究:P-糖蛋白質の抗体MRK16はサイクロスポリンの細胞外排出を阻害することにより、その耐性克服作用を増強することが明らかとなった。またM-CSFが存在すると抗体による細胞障害作用が強くなり、M-CSF遺伝子を耐性細胞に導入することにより、抗体によって有効な耐性細胞の排除が可能になった。サイトカイン遺伝子による耐性の遺伝子治療に道を拓くものである。 3.抗癌剤の新しいターゲットの解明:マイトマイシンの耐性機構として、耐性細胞では2電子還元に働くDT-diaphoraseが欠損していることが明らかとなった。新規抗癌剤KW2149はマイトマイシン耐性細胞に有効性を示すが、そのメカニズムは未知である。メタロチオネインが多剤耐性付与因子であることが明らかとなった。また細胞のアポトーシス(細胞死)阻止に働く168と23kDaの膜因子が同定された。 4.転移性癌細胞の特性とその制御:癌の転移にタイプIVコラゲナーゼを含むメタロプロテナーゼが関与していることが明らかとなった。またリンパ節転移の成立には上述のアポトーシスを阻止する168、23kDaの膜因子が関与していることが示された。
|