研究課題/領域番号 |
04253212
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高津 聖志 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10107055)
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研究分担者 |
高木 智 東京大学, 医科学研究所, 助手 (10242116)
等 泰道 東京大学, 医科学研究所, 助手 (10222241)
宮崎 純一 東京大学, 医学部(医), 客員教授 (10200156)
片桐 拓也 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70126100)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 26,000千円)
1993年度: 14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
1992年度: 12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
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キーワード | リンホカイン / 受容体 / IL-5 / シグナル伝達 / チロシンキナーゼ / 免疫担当細胞 / 発生 / 増殖・分化 / ヒトIL-5受容体 / IL-3受容体 / GM-CSF受容体 / チロシンリン酸化 |
研究概要 |
(研究目的)本研究は、免疫系担当細胞の発生、分化に関与するリンホカインとその受容体、とりわけB細胞と好酸球の増殖、分化を誘導するIL-5とその受容体系の構造およびシグナル伝達系を解析し、免疫系担当細胞の腫瘍発生機構とその抑制方法を分子レベルで明らかにすることを目的とする。これまでの研究で我々はマウスおよびヒトのIL-5受容体構造を明らかにした。また、IL-5刺激により特異的な細胞内蛋白質のチロシン残基がリン酸化され、このリン酸化がIL-5依存性増殖反応と密接に関連していることを示した。本年度はさらにIL-5のシグナル伝達機構を解明するべく、(a)IL-5受容体(IL-5R)α鎖の細胞内機能部位の同定、(b)IL-5刺激によりチロシン残基のリン酸化を受ける細胞内蛋白質の同定、(c)分泌型IL-5Rα鎖の生体内における意義を解析した。 (研究方法と研究成果)(a)細胞内ドメインを全て欠失したIL-5Rα鎖をβ鎖とともに発現させてもIL-5シグナルが伝達されなかった。細胞内プロリン残基に富む領域を欠失した変異α鎖を発現した細胞はIL-5に対する反応性を全く失っていた。また、IL-5の刺激後早期に認められる細胞内蛋白質のチロシンリン酸化およびc-jun、c-fos、c-mycなどの核内初期応答遺伝子群の発現がともに著しく障害されていた。以上よりIL-5Rα鎖で保存されている膜貫通部直下のプロリン残基に富む部分が、IL-5シグナル伝達に重要な働きをしていることが明らかになった。(b)IL-5応答細胞をIL-5で刺激する際Herbimycin Aを添加しチロシンリン酸化を阻害するとIL-5依存性増殖反応は著明に低下した。リン酸化を受ける主要な蛋白質はIL-Rβ鎖Lynキナーゼ、JAKキナーゼ、Vav、Shc、HS1などであった。また、B細胞特異的Btk活性がIL-5の刺激により数倍上昇した。(c)マウスα鎖の染色体遺伝子を単離しその構造を解析したところ、分泌型α鎖は択一的スプライシングで膜貫通部をコードするエクソンが跳ばされることにより生成されることがわかった。
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