研究課題/領域番号 |
04253217
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹市 雅俊 京都大学, 理学部, 教授 (00025454)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1992年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | カドヘリン / カテニン / がん細胞 / 細胞接着 / 転移 / HGF / 上皮 / PC9 |
研究概要 |
がん細胞の脱離機構を解明する研究の一環として以下のことを明らかにした。 (1)肺がん細胞株PC4子ドヘリンを発現するにも関わらず、互いに接着できない。この細胞はカドヘリンに結合するタンパク質の一つα-カテニンを欠失しているので、これが原因であると考え、α-カテニンのcDNAを導入してみた。その結果、カドヘリンの機能が回復し細胞が集合すると同時に、上皮のシストが形成された。この発見は、α-カテニンの存在がカドヘリンの機能にとって必須であることを証明し、さらに、カドヘリンとα-カテニンの複合体が、上皮形成のために中心的な役割を果たすことを始めて示した。また、がん細胞が分散する要因の一つとして、α-カテニンの欠失、機能異常が考えられ得ることを示した。 (2)HGFは細胞分散活性をもつことが知られている。HGFの作用の一つとして、カドヘリンの機能阻害を相定し調べてみた。その結果、HGFは、カドヘリンの機能は強くは阻害しないことが明らかになった。しかし、カドヘリンの機能を抗体により阻害した上でHGFを作用させると、細胞の分散度が著しく高まることが分かり、HGFの存在とカドヘリンの機能低下は、細胞の浸潤性を協調的に高めることが示された。 (3)細胞の接着阻害の機構の一つとして、変異カドヘリンによるドミナント・ネガティブ効果の存在を明らかにした。すなわち、細胞外ドメインの大部分を除去したカドヘリンを上皮細胞に導入すると、細胞間接着が破壊された。この現象は、細胞間境界において変異カドヘリンが正常カドヘリンと置き変わることにより起きると説明された。
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