研究概要 |
フレンドウイルス(Fv)で誘発されたFBL-3腫瘍細胞特異的細胞傷害性T細胞(CTL)クローンとヘルパーT細胞(Th)クローンの標的ペプチドを同定した。 1.Fvの特定領域を発現する組換えワクシニアウイルスを構成し,CTLの標的活性をしらべ,gag前駆体gPr80のシグナルペプチド部分20残基内に同定した。 2.gPr80シグナル配列20残基からペプチドを合成し,標的活性をしらべ,gag102-114 13残基に標的を限定した。 3.Thクローン2株の共通標的となるペプチドenv122-141,20残基で免疫し,さらにThクローン10数株を分離した。 4.env122-141から残基の短縮を試み,最小標的としてenv125-137,13残基を同定した。 5.アグレトープ2残基とエピトープ3残基を同定したが,エピトープのアラニン置換による影響の少いクローンやエピトープ以外の残基の置換に対して反応性を変化させるクローンも存在した。 6.アグレトープ,エピトープの活性5残基以外を全部アラニンで置換した13残基ペプチドは,env122-141,20残基の反応性にくらべて,1/100に活性を低下させた。しかし13残基ペプチド8分子を多価ペプチド抗原にしたところ,完全に活性を回復した。
|