研究課題/領域番号 |
04253241
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
上田 政和 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50142419)
|
研究分担者 |
神野 浩光 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20216261)
古川 和男 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70209162)
|
研究期間 (年度) |
1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1992年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
|
キーワード | 溶血毒 / フォスフォリパーゼ活性物質 / モノクローナル抗体 / ミサイル療法 / 増殖因子受容体 / 抗癌剤 |
研究概要 |
研究概要:ブタ、ヘビなどから抽出したフォスフォリパーゼ活性物質のヒト癌細胞溶解作用を検討したところ、ブタやNaja najaから得られたフォスフォリパーゼ活性物質にはヒト癌細胞溶解作用は認められなかった。しかし、Naja mocamiqueから得られたフォスフォリパーゼ活性物質は強力なヒト癌細胞溶解作用を示したが、単なるマウス免疫グロブリンと結合させると細胞溶解作用は消失した。しかし、ヒト癌関連物質を認識するモノクローナル抗体MSN-1と結合させるとMSN-1認識抗原を有するヒト關細胞株SNG-IIは溶解・死滅しえたが、MSN-1抗原が検出し得なかったヒト癌細胞株SKG-IIIに対しては同じ濃度で全く細胞溶解作用を示さなかった。ヒト癌細胞癌に発現し、その予後を規定するEGFRおよびerb B-2癌遺伝子物産を認識するモノクローナル抗体に、各々が過剰に発現している臓器に感受性の高い抗癌剤を結合させるとその作用は抗癌剤単独よりはるかに有効であった。 考察:フォスフォリパーゼ活性物質を、非特異的な免疫グロブリンと結合させるとその作用が消失するが、モノクローナル抗体と結合させると抗原を有する細胞の細胞膜のみを選択的に溶解させることが明らかとなった。この事は、このトキシンとのconjugateを使用すれば、internalizeすることのない癌関連細胞膜蛋白やモノクローナル抗体によるミサイル療法が可能なことを意味しており、ヒト型モノクローナル抗体によるミサイル療法も開発出来るものと考えている。 展望:現在ヒト型モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマをscidマウスの腹腔内に移植し、腹水を摂取しており、この抗体とトキシンとのconjugateを来年度には検討することが可能であると考えている。
|