研究課題/領域番号 |
04253243
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立予防衛生研究所 |
研究代表者 |
上原 至雅 国立予防衛生研究所, 生物活性物質部, 室長 (50160213)
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研究分担者 |
深澤 秀輔 国立予防衛生研究所, 生物活性物質部, 研究員 (10218878)
村上 裕子 国立予防衛生研究所, 生物活性物質部, 主任研究官 (00142133)
水野 左敏 国立予研, 生物活性物質部, 部長 (60072930)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
16,000千円 (直接経費: 16,000千円)
1993年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
1992年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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キーワード | がん遺伝子 / ハービマイシン / EGFレセプター / エンジェルマイシン / チロシンキナーゼ / プロテインキナーゼ / 阻害剤 / スクリーニング |
研究概要 |
1.新規がん遺伝子機能抑制物質angelmicin:正常細胞とSrcがん細胞間の血清要求性の差を指標にしたスクリーニングから、分子量が約1700、アントラキノン骨格に6つ糖が結合した新規物質angelmicinを見いだした。選択性が高いチロシンキナーゼ阻害剤で、HL-60をきれいに顆粒球に分化誘導するが、チロシンキナーゼ阻害活性との関連については今のところ不明。invivoでの効果は弱く、P388でのILSは30-40%程度であった。 2.ハービマイシンによるA431細胞の増殖促進:erbB1(EGFレセプター)の過剰発現が知られるヒト偏平上皮がんA431細胞を用い、ハービマイシンの作用を調べた。この細胞は高濃度のEGF(100ng/ml)で増殖抑制(DNA合成阻害)を受けるが、ハービマイシンを共存させるとEGF刺激(10,100ng/ml)によるDNA合成は逆に促進した。ハービマイシン処理によりEGFレセプターのキナーゼ活性が低下したが、これは予想されたキナーゼ活性の直接の阻害によるのではなく、レセプターが生合成途上に分解の促進を受け、その結果、レセプター蛋白量が低下したことに起因することが判明した。ハービマイシン処理により、増殖抑制に働く低親和性のレセプターが減少し、EGF刺激のDNA合成を促進する高親和性のレセプター数が減少しなかったことが、増殖のphenotypeを正常細胞様に変化させたことの説明となる。erbB1やerbB2が過剰発現した癌細胞に対して、レセプターの発現量を低下させる薬剤が、抗がん効果を示すのか今後の検討課題である。
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