研究分担者 |
広瀬 進 国立遺伝学研究所, 教授 (90022730)
月原 冨武 徳島大学, 工学部, 教授 (00032277)
田中 勲 北海道大学, 理学部, 助教授 (70093052)
白木原 康雄 兵庫教育大学, 自然系物理, 助教授 (20150287)
郷 通子 名古屋大学, 理学部, 教授 (70037290)
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研究概要 |
多くのDNA結合蛋白質(SSB,DNAポリメラーゼβ,PhoB,CamR,OmpR,H-NS)およびDNAとの複合体(PHO4,papl,DNAポリメラーゼβ,c-Myb,HU)の結晶化に成功したが、中でも、大腸菌由来の一本鎖DNA結合蛋白質SSB、ラット由来のDNAポリメラーゼβの31kDa断片、大腸菌由来の転写活性化蛋白質OmpRのDNA結合ドメイン、および"ヘリックス・ループ・ヘリックス"DNA結合モチーフをもつ酵母由来の転写活性化蛋白質PHO4のDNA結合ドメインと17塩基対のDNAオリゴマーとの複合体は3Åから2.5Åの分解能をもつことが判明し、構造解析を進めた。SSB、DNAポリメラーゼβおよびOmpRは、これらの結晶からX線回折データを収集することに成功し、重原子置換結晶のスクリーニングの段階まで到達した。また、PHO4のDNAの複合体結晶は、重原子置換結晶のX線回折データの収集も完了し、電子密度図の作成の階段まで至っている。これらの4つの結晶については、近い将来、三次元構造が解明される地点まで研究を推進することができた。また、シンクロトロン放射光を利用した新しいワイセンベルグカメラから得られるデータの処理の効率化もはかった。更に、"ヘリックス・ターン・ヘリックス"DNA結合モチーフをもつ転写調節蛋白質の進化機構やRNAポリメラーゼII中のバルナーゼ類似ドメインの発見、真核生物の超らせん化蛋白質の発見、および大腸菌RecAおよび酵母Rad51の機能構造の同定などに成功した。
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