研究課題/領域番号 |
04254206
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
正井 久雄 東京大学, 医科学研究所, 助手 (40229349)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1992年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | DNA複製 / 一本鎖DNAヘアピン / DEAD / DEXHファミリー / DNAヘリカーゼ / プラモソーム / 欠失変異体 / ATP加水分解 / Znフィンガー |
研究概要 |
一本鎖DNAヘアピン構造を特異的に認識、結合して複製複合体(プラモソーム)の形成を促進する大腸菌PriAタンパン質の構造と機能の解析から以下の結果を得た。1)種々のプラスミドから単離したPriAタンパク質の標的配列(n'サイト)は、その塩基配列の類似性から5個のグループに分類された。いずれのグループも特徴的なステム=ループ構造を形成するが、全てのグループに共通な配列は見いだされないことから、PriAタンパク質は標的配列の高次構造を認識することが示唆された。2)PriAタンパク質はDEAD/DEX.HファミリーとよばれるRNAヘリカーゼに保存されるアミノ酸モチーフと共に、CXXC(C:システイン)配列が4回繰り返されるZnフィンガー様構造を所有している。3)PriAタンパク質(732アミノ酸)のN端545アミノ酸を所持する変異体は、野性体の約1/100の比活性ではあるが、有意なDNA複製能、(d)ATP加水分解能、およびDNAヘリカーゼ能を所有していることが示された。この事実はRNAヘリカーゼ保存ドメインVIはPriAタンパク質の一本鎖DNAヘアピン結合およびそれに伴うプライモソーム形成にとっては必須でないことを示す。4)South-western法により、N端311アミノ酸のみをもつPriAタンパク質変異体はDNAに結合できるが、N端311アミノ酸を欠損しC端のみをもつ変異体は結合できないことから、PriAタンパク質のDNA結合ドメインはN端311アミノ酸内に限定された。5)PriAタンパク質はn'サイト配列をもつRNAにも特異的に結合する。しかしながら、RNA結合はPriAタンパク質の(d)ATP加水分解能を活性化できないことから、DNA結合とRNA結合は質的に異なる可能性が示唆された。
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