研究課題/領域番号 |
04255213
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
吉村 恵 久留米大学, 医学部, 講師 (10140641)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 脊随膠様質 / Aδ線維 / グリシン / GABA / サブスタンスP / 第IV層ニューロン / 速いシナプス電位 / 遅いシナプス電位 |
研究概要 |
1.第一次知覚神経のAδ線維刺激によって脊随後角第2層ニューロンに遅い経過のシナプス電位(slow EPSP)が誘起された。このslow EPSPは膜の過分極によって増大し、また膜コンダクタンスの増加を伴うことから非選択的陽イオン透過性の増大によって発生しているものと推察される。C線維刺激によって20%のニューロンに速い経過のシナプス電位(fast EPSP)が誘起されたがslow EPEPは誘起されなかった。 2.後角第2層ニューロンのslow EPSPはグルタミン酸受容体拮抗薬によって抑制され、またP物質は第2層ニューロンに対して何ら作用を示さないことから、slow EPSPはP物質以外の伝達物質によって仲介されていると考えられる。 3.後角第4〜5層ニューロンではAδ線維刺激によって単シナプス性のfast EPSPが誘起されたがslow EPSPは観察されなかった。しかしC線維の頻回刺激では約20%のニューロンにslow EPSPが誘起された。大部分のslow EPSPは膜コンダクタンスの低下を伴い一部のslow EPSPはコンダクタンスの増大を伴っていた。第2層のニューロンと同様、膜コンダクタンス増大を伴うslow EPSPはグルタミン酸受容体拮抗薬で抑制された。 4.P物質は後角第4層ニューロンに膜コンダクタンス低下を伴う脱分極を誘起した。P物質受容体拮抗薬であるスパンタイドは膜コンダクタンス低下を伴うslow EPSPとP物質誘起脱分極を抑制した。 5.以上の結果から、P物質を含有する第一次知覚C線維は後角第4〜5層ニューロンにシナプスを形成し、slow EPSPを誘起することにより痛覚伝達に関与していることが示唆された。
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