研究課題/領域番号 |
04256204
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大坪 栄一 東京大学, 応用微生物研究所, 教授 (10158800)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1992年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 有性生殖 / プラスシド / 細菌 / DNA伝達 / tra / ニッキング / 制御遺伝子 / 接合 |
研究概要 |
細菌は無性生殖し増殖するが、有性生殖をも行う。有性生殖とは、供与菌から受容菌へ接合により一方向にDNAを伝達する現象であるが、供与菌となるためには接合に必須の遺伝子(tra)を運ぶFやR100等のプラスミドを持つことが必要である。本研究は、プラスミドR100のDNA伝達に関与する遺伝子と、制御遺伝子の作用を明らかにすることを目的としたものである。 DNA伝達の初期に、traオペロンの始めと終わりにあるtraYとtraI遺伝子の産物が、DNA伝達開始点oriTを含む領域に作用しニックを入れる反応が起こると考えられていた。このニッキング反応を解析するために、精製したTraYタンパク質を、TraIタンパク質を含む細胞抽出液中に加えることによってoriTにニックを導入する系を確立した。またTraIタンパク質の精製を行い、それが弱いながらニックを入れる活性を持つこと、ニックの5'端に共有結合すること、TraYと宿主タンパク質IHFの存在下でニッキング反応の効率を上げること、を見出した。この結果は、3種のタンパク質がoriT領域に於て複合体を形成し効率よくニックを入れることを示している。更に、oriT領域内の様々なDNA断片を切り出し、in vitro systemに於いてoriTにニックが入るかどうかを見ることによってニッキングに必要な最小領域を決定した。 一方、DNA伝達初期に必要なもう一つの遺伝子traMの産物を精製し、それが、oriTのすぐ下流(traMのすぐ上流)の領域に結合すること、TraMが膜タンパク質であること、からTraMがDNAの膜上へのanchoringに関与するのではないかという仮説を提唱した。又、制御遺伝子traJはtraY-traIオペロンを正に制御することが示唆されていたが、精製したTraJタンパク質がこのオペロンのプロモーターの上流に結合することを認めた。
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