研究課題/領域番号 |
04256208
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
榎本 武美 東京大学, 薬学部, 助教授 (80107383)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1992年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | DNAヘリカーゼ / DNA複製 / 哺乳類細胞 / 温度感受性変異株 |
研究概要 |
DNA複製という細胞増殖の基本的過程が進行するためには、二本鎖DNAが巻きもどされて一本鎖になることが必要である。この過程は二本鎖DNA巻きもどし酵素(DNAヘリカーゼ)により進行される。哺乳類細胞のDNA複製機構やその開始機構を分子レベルで理解するためにはDNA複製に関与するDNAヘリカーゼを同定することが必須である。本研究ではDNAヘリカーゼがDNA依存性ATPase活性をもつことからDNA依存性ATPase活性を指標に、哺乳類細胞のDNA合成の温度感受性変異株を用いて、DNAヘリカーゼの変異株をスクリーニングし、以下のような結果を得た。 (1)マウスFM3A細胞のDNA合成の温度感受性変異株をスクリーニングし、tsFT848株では非許容温度でDNAヘリカーゼBの活性が低下することを見出した。 (2)この株ではヘリカーゼBが変異蛋白の本体であり、ヘリカーゼBが細胞増殖に必須であることが示唆された。 (3)tsFT848細胞では非許容温度で細胞周期の進行が停止し、その主な停止点はS期初期であった。 (4)非許容温度下で培養したtsFT848細胞では、DNA合成の低下と、DNAヘリカーゼBの活性の低下との間に相関がみられた。 (5)DNAファイバーオートラジオグラフィーによる解析の結果、tsFT848細胞の非許容温度下でのDNA合成の低下はレプリコンレベルでのDNA複製開始頻度の低下によることが明らかになった。 以上から、DNAヘリカーゼBが哺乳類細胞のDNA複製に関与するDNAヘリカーゼであることが強く示唆された。
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