研究課題/領域番号 |
04257211
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
飯田 滋 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (30012777)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1992年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 高等植物 / アサガオ / トランスポゾン / 転移調節因子 / アントシアニン色素生合成 / DFR遺伝子 / 遺伝子の発現制御 / 絞り花 |
研究概要 |
現在、遺伝子発現の制御の関する研究はそのほとんどが遺伝子のプロモーター領域の解析などの転写調節機構の解明を目的とした研究である。しかしながら、遺伝子発現の制御は転写以外にも種々のレベルで行われており、本研究のようなDNAレベルでの制御、すなわち非相同性の組換えによるDNA再編成による遺伝子発現の制御は近年注目を集めている。薬用植物の牽牛子として奈良時代に渡来し、江戸時代に各種の園芸種が作出されたアサガオの絞り花の形成も転移因子によるDNA再編成の関与した色素合成系遺伝子の発現制御の結果ではないかと考え、絞りアサガオより未知転移調節因子を単離することを試みた。 アサガオは花色や花・葉などの形態に関する種々の変異体が存在し、本研究で用いた絞りアサガオは遺伝学的には雀斑(Fleeked)と呼ばれるもので江戸時代に分離され、昭和10年代に詳細な遺伝学的研究の行われた系統である。この絞りアサガオDFR遺伝子中には、6kbのDNA配列が挿入されており、しかも、この6kbのDNA配列の末端領域には転移因子に特徴的な逆反複配列と標的重複列が見いだされ、その末端逆反複配列及び標的重複配列の塩基数は、よく解析させたトウモロコシの転移調節因子の一つSpmに極めて類似していた。このアサガオより最初に単離された転移調節因子をTpnl(Transposable elementpharbitis nil one)と名付け、その末端領域の塩基配列の決定を行ったところ、両末端より1kb以内に転移酵素の結合部位と考えられる10bpのモチーフがInverted repeatsを構成して多数存在することが明らかになった。現在Tpnlの内部領域の構造を解析中である。
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