研究課題/領域番号 |
04258204
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
岡戸 信男 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (50060140)
|
研究期間 (年度) |
1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | セロトニン / モノアミン / シナップス / 賦活作用 / 脊髄 / 個体発生 |
研究概要 |
モノアミン線維のうち特にセロトニン線維がニワトリでは孵化後1週、ラットでは生後2週間をピークトして一時的に増加することを確かめた。その一時的に増加するセロトニン線維はラットではサブスタンスPを共存しないことを二重標識法で明らかにした(J.Comp.Neurol.Vol.325)。一時的に増加するセロトニン線維が如何なる機能を有しているのかを知るために、薬理学的に一時的に増加するセロトニン線維を除去して、その結果生ずる変化を検討した(J.Neurobiol.Vol.24)。その結果、ニワトリで孵化後1週間わたりセトロニンを除去すると、セトロニン線維の標的領域でシナップス密度が最大で70%近く減少することが確かめられた。免疫電顕法でセロトニン陽性のシナップスを検索するとシナップス全体の0.5%以下であることが確かめられた。即ち、減少したシナップスのほとんどは非セロトニン性であることが明らかになった。シナップスの減少が使用した薬物の副作用である可能性を検討した。シナップス密度はセロトニン密度に依存して変化すること、複数の薬理作用の異なる薬物によっても同様の結果が得られたこと、またセトロニンの前駆体を投与することによりシナップス密度が高くなることから、シナップス密度とセロトニン濃度の直接の関係があることが明らかになった。セロトニン線維の成体中枢神経系での働きを知るため、孵化後6カ月の鶏で同様の実験を行った。その結果、成体においてもセロトニン線維を除去するとセロトニン線維の標的領域でシナップス密度は40ー50%減少することが明らかになった。従ってセロトニン線維はシナップスの形成と維持に促進的に働いていることが明らかになった。
|