研究課題/領域番号 |
04258206
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
二木 鋭雄 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (20011033)
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研究分担者 |
野口 範子 東京大学, 工学部, 助手 (40198578)
保田 浩 東京大学, 工学部, 助手 (10220154)
山本 順寛 東京大学, 工学部, 助教授 (60134475)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1992年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 神経細胞 / 酸素傷害 / 脳ホモジネート / 脳脂質 / フリーラディカル / ビタミンE |
研究概要 |
フリーラジカルが細胞、特に脳神経細胞に対して如何にして酸化的傷害を与えるのか、またそに対してどうすれば防御できるのかについて反応論的観点から基礎的に研究を行ない、解明することを目的として研究を進め、以下の結果を得た。潅流後、ラットより摘出した脳、肝のホモジネート(10mg protein/ml Tris-HCl緩衝液pH7.4)の酸化とその抑制について比較検討を行なった。ホモジネート中のビタミンE(α-トコフエロール)の濃度は、脳で0.12nmol/mg protein、肝では0.06nmol/mg proteinであった。EDTA存在下で水溶性ラディカル開始剤AAPH(2,2'-azobis(2-amidinopropane)dihydrochloride)10mM添加により、一定速度でペルオキシルラディカルを発生させて酸化を開始すると、肝では反応2時間までにビタミンEは消費され、3時間でTBARSは1.1nmol/mg protein増加した。同じ反応時間における脳のTBARSは0.3nmol/mg proteinでビタミンEの減少は10%以下であった。一方、EDTA非存在下で開始剤を添加しない場合、肝の酸化はほとんど起こらないのに対して、脳は速やに酸化し、0.05nmol/mg proteinのビタミンEが残存しているにもかかわらず、TBARSは1.48nmol/mg proteinに達した。以上の結果から、脳脂質は高濃度存在するビタミンEによってペルオキシルラディカルによる酸化はよく抑えられるが、金属依存性の酸化を受けやすく、またビタミンEはこれをよく抑制することができないことが示唆された。 含セレン化合物であるエブセレンはヒドロペルオキシドを速やかに分解することにより、金属依存性の酸化をきれいに抑制することを認めた。
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