研究課題/領域番号 |
04258209
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
加藤 聖 金沢大学, 医学部, 教授 (10019614)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1992年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | グルタミン酸 / C6グリオーマ / グルタチオン / DNAの断片化 / 酸化的ストレス |
研究概要 |
10mMのL-グルタミン酸をC6グリオーマ細胞に添加すると遅延型の細胞死が生じる。その原因としてC6グリオーマ細胞にはグルタミン酸/シスチンの対向輸送系が豊富に発現しており、細胞内に高濃度に含有されるグルタミン酸の外向き勾配を利用してシスチンが細胞外から取り込まれシスチンが細胞内で還元されシステインとなりグルタチオン(GSH)が生成される。つまり、この対向輸送系により細胞内GSHの濃度が維持されていることが判明した。また高濃度のグルタミン酸添加はこの輸送系を阻害し、結果としてGSH濃度維持機構の破綻をもたらすことが明かとなった。更にGSH減少による細胞死の細胞内分子機序を探るため、未処理コントロール細胞群とグルタミン酸処理細胞群から別個に核内DNAを抽出し、アガロース電気養動したところ、グルタミン酸処理群では早期(8〜10時間)からのDNAのラダー状断片化が認められた。また抗酸化剤であるビタミンEの添加により、グルタミン酸細胞死とDNA断片化が共に完全に抑えられた。しかしながらこの時、細胞内GSHは殆ど枯渇していた。 以上の結果から 1)GSHの減少が直接細胞死に結びつかないこと。 2)細胞死に先立ちラダー状のDNA断片化が認められることにより、このグルタミン酸細胞死はアポトーシスの可能性が高いこと。 3)GSHの減少とDNA断片化の時間経過が良く似ていること。 4)ビタミンEはGSHの減少にも拘らず細胞死とDNA断片化の両現象を抑えること。 5)両現象にはGSH減少による何らかの酸化的ストレス過程の関与があることが考えられた。今後この神経系モデル細胞をもちい更なる細胞死=アポトーシスの成因機構について追求して行きたい。
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