研究課題/領域番号 |
04258211
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
秋口 一郎 京都大学, 医学部, 助教授 (30115779)
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研究分担者 |
下濱 俊 京都大学, 医学部, 助手 (60235687)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1992年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 神経難病 / 神経細胞死 / 情報伝達機構 / 海馬 / 内嗅皮質 / プロテインキナーゼC / アイソザイム / トランスロケーション |
研究概要 |
神経細胞死と情報伝達機構との関連については不明の点が多い。本研究では、情報伝達機構の変動が神経変性・細胞死をもたらすか否かについて実験神経学的に検討した。内嗅皮質のグルタミン酸作動性神経細胞は貫通線維を経て海馬へ入力している。この神経回路を遮断した動物モデルを用いて、海馬での神経変性および可塑性の分子機構として細胞の成長、分化、恒常性の維持に重要で神経細胞関連骨格タンパクのリン酸化に関係するプロテインキナーゼC(PKC)に注目し、PKCアイソザイムに対する特異抗体を用いた免疫化学および免疫組織化学的検討を行った。貫通線維の切断により、免疫組織化学的に歯状回の中間および外側分子層のPKC(α)の免疫反応性の減少が認められた。また、同部位にPKC(α)免疫陽性グリアの出現が見られた。PKC(βI)の免疫反応性は、歯状回の内側分子層で増加していた。PKC(βII)免疫陽性グリアが歯状回外側分子層に出現しており、貫通線維の切断により同部位に出現するGFAP陽性グリアと類似していた。一方、PKC(γ)の免疫反応性には著しい変化は認められなかった。PKCのタンパクレベルの変動について免疫化学的に半定量化を行った。貫通線維の切断により、PKC(α),(βI)および(γ)の全体量には変化はみとめられなかったが、(βII)は有意に増加していた。一方、細胞内分布では、PKC(α),(βII)および(γ性の顆粒性分画での有意な減少が認められ、貫通線維の切断による細胞質分画へのトランスロケーションが示唆された。以上の結果より、神経細胞の変性および可塑性の分子機構としてのプロテインキナーゼCの重要性が示唆された。
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