研究課題/領域番号 |
04258221
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
内山 安男 岩手医科大学, 医学部, 教授 (10049091)
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研究分担者 |
谷口 和美 岩手医科大学, 医学部, 助手 (00171843)
似鳥 徹 岩手医科大学, 医学部, 助手 (90128934)
小野寺 悟 岩手医科大学, 医学部, 助手 (40137493)
遠山 稿二郎 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (10129033)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1992年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 遅延型神経細胞死 / システイプロテアーゼ / ユビキチン / アポトーシス / 神経発生 |
研究概要 |
1.スナネズミ海馬にみられる遅延型神経細胞死とユビキチン:モンゴルスナネズミの両側総頸動脈を5分間閉塞負荷後、12、24時間、3、7、14日で潅流固定し、海馬を含む脳組織を採取した。海馬CA1領域の錐体細層では、虚血負荷後カテプシンB、LおよびHの免疫反応性が上昇することをこれまでに明らかにしてきた。本年度は、細胞質蛋白の分解のシグナルとして知られるユビキチンの動態を免疫組織化学的に検索した。海馬の錐体細胞の核と細胞質は強いユビキチンの免疫反応性を示すが、負荷12時間後には核における反応性が、さらに24時間後には細胞質における反応性が消失した。CA1以外の領域の錐体細胞におけるユビキチンの免疫反応性は虚血後3日でほぼともに復した。CA1領域の錐体細胞では、負荷後24時間でユビキチン陽性の微小な顆粒が細胞質に出現し、3日後には大小の陽性顆粒が多数認められた。錐体細胞に認められたユビキチンの陽性顆粒は、システインプロテアーゼの免疫陽性顆粒に類似していた。また、電子顕微鏡レベルの免疫組織化学で検索すると、24時間後、3日後でユビキチンの局在を示す金コロイドがCA1錐体細胞のリソゾームに認められた。これらのことより、細胞質蛋白も虚血負荷によって、細胞質で分解されるのみならずリソゾームで分解され、虚血に伴いCA1錐体細胞のリソゾームが活性化されることが明らかとなった。 2.胎生期における神経細胞死:胎生期の器官形成の過程で認められる予定細胞死にはDNAの断裂化が生じることが知られている。断裂したDNAの3'端をビオチン化dUTPでラベルして細胞死を起こす細胞を組織中に検討する方法を用いて、ラットの胎生期の神経細胞および神経上皮細胞を観察した。胎生15日以降の脊髄前角にみられる反応陽性の核は貪食細胞に取り込まれたもので神経細胞の核には陽性反応はみられなかった。現在、上述した方法で得られた結果とシステムインプロテアーゼの局在の結果とを詳細に検討中である。
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