研究課題/領域番号 |
04259104
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 島根医科大学 |
研究代表者 |
今井 勝行 島根医科大学, 医学部, 助教授 (60035425)
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研究分担者 |
辻 省次 新潟大学, 脳研究所, 教授 (70150612)
山田 道之 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教授 (10076995)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | グルコセレブロシダーゼ / β-グルコシダーゼ / cDNA / 偽遺伝子発現 / リソソーム |
研究概要 |
グルコセレブロシダーゼ/β-グルコシダーゼ(GC)はリソソーム膜結合性で、可溶性酵素とは異なり、マンノース6-燐酸受容体に依らないでリソソームへ移行する。GCの選別輸送に関与する構造を知るため、ヒト白血病細胞株HL-60からcDNAをクローニングした。得られた14のクローンはサイズから全長のものと考えられた。しかし、5`および3`末端の配列を持つオリゴヌクレオチドをプローブとして調べると、5`側プローブとは結合しないクローンが見つかった。それぞれのcDNAについて塩基配列を調べたところ、一方は正常遺伝子と同じ配列であったが、他方は意外にも偽遺伝子とされているものに由来していた。その構造はエクソンの一部または全部の欠失、イントロン4からの配列を含むなどの特徴を持つ新しに転写産物であることが判った。この偽遺伝子産物の生理的意味を知るため、他の細胞についても調べた。各種ヒト細胞株、上皮系細胞HeLa,維芽細胞WI38,細胞HepG2および赤芽球系K562,らRNAを調整し、対応するcDNAをPCR法により増幅して解析した。その結果、調べた全ての細胞に広く偽遺伝子型産物が発現していることが分かった。さらに、この偽遺伝子型cDNAを転写して得られるcRNAはin vitroで30kDaの蛋白質を翻訳し得ることが分かった。in vitro翻訳産物はサポニン処理で透過性にしたHepG2とよく結合することも観察された。この結合がGCの選別輸送と関係のある特異的なものなのか検討中である。また、偽遺伝子型転写物がin vivoでも翻訳されるのか、それが正常遺伝子の転写、翻訳になんらかの影響を与えるのか否かについても今後、検討したい。
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