研究課題/領域番号 |
04259201
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
桑島 邦博 東京大学, 理学部, 助教授 (70091444)
|
研究分担者 |
横山 茂之 東京大学, 理学部, 教授 (00159229)
|
研究期間 (年度) |
1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1992年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | タンパク質の細胞内輸送 / 分子シャペロン / シャペロニン / GroEL / モルテン・グロビュール状態 / 水素交換反応 |
研究概要 |
タンパク質の巻き戻りの中間体であるモルテン・グロビュール(MG)状態は、細胞内において、GroELやSecB等の分子シャペロンによる認識される膜透過型の分子形態に対応すると考えられている。本研究では、最も典型的なMG状態を示すα-ラクトアルブミンを対象に、GroELによるMG状態の分子認識の機構を調べる。以下の結果が得られた。 (1)大腸菌シャペロニンの発現プラスミドpGroESLで大腸菌(MV1184株)を形質転換し、形質転換菌を大量培養して、タンパク質を抽出精製した。精製GroELを約700mg得た。(2)紫外吸収のストップトフロー法を使い、GroELがα-ラクトアルブミンの巻き戻り過程にどの様に影響するかを調べた。巻き戻り初期にはMG状態の形成されることが知られているので、それがGroELにより認識されるとするなら、巻き戻り速度が遅くなることが期待される。しかし、酸変性状態よりの巻き戻りの速度過程はGroELにより全く影響を受けないことが明らかとなった。(3)α-ラクトアルブミンは、低イオン強度下でカルシウムイオンの離脱した状態では、pH中性、室温でも安定にMG状態にある。この条件下でMG状態にあるα-ラクトアルブミンとGroELとの相互作用を、分子ふるいクロマトグラフィー,トリチウムラベルによる水素交換反応により調べた。その結果,いずれの方法によってもα-ラクトアルブミンとGroELとの相互作用を検出することはできなかった。 以上の結果は、GroELはα-ラクトアルブミンのMG状態とは結合しないことを示唆している。現在、GroELとの相互作用が確認されているジヒドロ葉酸還元元酵素を用いて、上記の方法で相互作用を検出できるか否かを検討中である。α-ラクトアルブミンは4本のSS結合を持つので、SS結合の還元された条件下ではGroELとの相互作用が認められないかも検討する予定である。
|