研究課題/領域番号 |
04259209
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
市村 徹 新潟大学, 大学院自然科学研究科, 助手 (50213012)
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研究分担者 |
菅野 浩 敬和学園大学, 教授
桑野 良三 新潟大学, 遺伝子実験施設, 助教授
小俣 三郎 新潟大学, 理学部, 教授
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1992年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 粗面小胞体 / リボソーム / リボソーム受容体 / 蛋白質膜透過 / 膜蛋白質 / cDNA クローニング |
研究概要 |
リボソームに親和性のある膜蛋白質画分(R-fr)からp34リボソーム結合蛋白質(以下p34)を抗体を用いて除去し、そのリボソーム結合活性にあたえる効果を解析した。その結果、R-frのリボソーム結合活性はp34の除去される程度に比例して減少し、80%以上の活性が消失することが分かった。これと同様の結果はさまざまな方法で調製したR-frを用いた場合にも観察された。また精製したp34をこの系に添加しリボソーム結合活性を測定したところ、加えたp34の量に依存した活性の回復が認められた。 次いで、精製したp34のリボソーム結合活性が天然の小胞体膜においてどの程度の活性を担えるのかを調査した。その結果p34は、最も少なく見積っても小胞体膜の活性の30%を占める主要なリボソーム結合蛋白質であると考えられた。この結果はp34の抗体が小胞体膜のリボソームの再結合を90%以上阻害することからも確かめられた。以上の結果から、p34は小胞体膜のリボソーム結合部位を構成する蛋白質の1つであると考えられた。 リボソーム結合部位は蛋白質の小胞体膜透過部位と機能的に関係していることが予想されたので、p34と小胞体膜透過系との関係を調査した。その結果p34のIgG分子に、膜透過を阻害する活性のあることが見いだされた。現在この効果を抗体のFabフラグメントを用いて検討しているところである。 またcDNAクローニングによって、p34の構造を決定した。それによると、p34は細胞質側に大きなドメインをもつ典型的なタイプ2型の膜蛋白質であることが予想された。この細胞質ドメインはに"leucine-rich-repeat(LRR)"と総称されている蛋白質-蛋白質相互作用に関係する構造単位が存在していた。LRRはヒトから酵母にいたるさまざまな蛋白質に見いだされており、p34はこのLRR蛋白質のスーパーファミリーで一員であると考えられた(投稿中)。
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