研究課題/領域番号 |
04259219
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
井出 千束 神戸大学, 医学部, 教授 (70010080)
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研究分担者 |
荒川 昌彦 神戸大学, 医学部, 助手 (10221053)
藤本 悦子 神戸大学, 医学部, 助手 (00107947)
溝口 明 神戸大学, 医学部, 構師 (90181916)
三木 明徳 神戸大学, 医学部, 助教授 (20144561)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 成長心錐 / 再生軸索 / シナプス小胞 / シナプトフィジン / シナプシンI / 膜融合 / 低分子量GTP結合蛋白質 / rab3A |
研究概要 |
神経の発生や再生に際には、神経軸索の活発な伸長が認められ、その伸長軸索の最先端部の構造である成長円錐は、伸長方向の決定や標的細胞の識別にとって決定的な役割を演じていると考えられている。そこで私共は、本年度これまで困難であったin vivoにおける再生軸索の長成円錐における伸長機構、特に成長円錐内部に多数含まれる小胞と成長錐形質膜の融合機構に関して、主として免疫電顕を用いた解析を行い、以下の結果を得た。 (1)再生軸索成長円錐に選択的に存在する蛋白質の同定、再生軸索に選択的に存在する蛋白質を検索したところ、正常のシナプス小胞膜とその内部の小胞表面には存在するが、再生軸索が由来する元の親軸索にはほとんど存在しないことを見いだした。このことは、正常神経であれば神経終末においてシナプス小胞膜の原料となるべき膜蛋白質が再生時には再生軸索内の小胞膜として畜積し、さらに再生軸索形質膜と融合して再生軸索形質膜の伸長の原料として利用されることを強く示唆するものである。この発見は、1981年Pfenningerがレクチンを用いて提唱した成長円錐における模付加を初めて蛋白質レベルで同定したもので意義深いものと考えられる。 (2)成長円錐における低分子量GTP結合蛋白質の同定 最近、低分子量GTP結合蛋白質rabファミリーが細胞内小胞輸送・融合機構に必須であることが明らかになってきたが、私共は、再生軸索成長円錐にrab3Aが成長円錐の膜融合の制御に関与している可能性を見いだした。 以上本年度の私共の研究結果から再生軸索成長円錐は構成蛋白質や融合制御蛋白質について着実な成果を上げることができ、本年度の研究計画は、ほぼ達成することができたと考えている。
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