研究課題/領域番号 |
04259220
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
上領 達之 広島大学, 総合科学部, 教授 (50025649)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1992年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 非特異的脂質輸送蛋白質 / 細胞内蛋白質輸送 / ペルオキシソーム / ターゲティング信号配列 / ELISA法 |
研究概要 |
ペルオキシソームへの蛋白質の輸送に関して極言すると、ラットのアシル-CoA酸化酵素の場合以外には信頼するに足る定量性をもった実験系は確立されていない。分子内に分散する複数成分から構成されると推定されている酵母のアシル-CoA酸化酵素(79kDa)の輸送(ターゲティング)信号配列が未だに決定されていない理由はここにある。本研究の目的は、分散型の輸送信号配列の解析が容易な低分子量の非特異的脂質輸送蛋白質(nsLTP:14kDa)を対象に選び、定量)のある細胞内輸送系を確立することである。 Candida tropicalisのnsLTPに対する特異抗体は既に調製されており、近縁異種酵母Candida maltosaでこの蛋白質コードする遺伝子の破壊株が作製されているので、nsLTPの異種酵母細胞内での輸送を免疫化学的に定量することができる。オルガネラ表面に単に付着している蛋白質の量はサンドイッチELISA法で無傷のオルガネラを測定することによって得られる筈であり、オルガネラ内部に完全に輸送された蛋白質の量は可溶化したオルガネラに対する測定値から上記の量を差し引くことによって得られる筈である。C.tropicalis細胞内でnsLTPがペルオキシソームのマトリクスに局在しているこは金コロイド標識による免疫電子顕微鏡観察で確認した。この細胞から調製したペルオキシソーム画分では検出されるnsLTP量が可溶化によって著しく流加し、ミトコンドリア画分ではそのような増加が殆ど認められなかったので、この定量法の有効性が確かめられた。そこで野生型nsLTPとその短縮型ボリペプチドを異種酵母細胞内で発現させ、さの方法でそれらの輸送を定量した結果、nsLTPのペルオキシソームへの輸送にはそのC-末端に存在する-Pro-Lys-Leuが重要であることが明らかになった。その配列は既知の輸送信号-SKLモチーフには含まれていない新しい種類である。
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