研究課題/領域番号 |
04259221
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
小椋 光 熊本大学, 医学部, 助教授 (00158825)
|
研究分担者 |
山中 邦俊 熊本大学, 医学部, 助手 (90212290)
|
研究期間 (年度) |
1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1992年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | fts遺伝子 / 膜蛋白 / 蛋白の局在化 / ペニシリン結合蛋白 / β-ラクタマーゼ / シャペロン / 分泌蛋白 |
研究概要 |
ftsH変異株でプロセシングの遅れが観察されPBP3とβ-ラクタマーゼの前駆体についてプロテアーゼ消化を行った結果、β-ラクタマーゼについては細胞質にとどまっていることが示されたが、PBP3については少なくともその一部がペリプラズムに達していることが明かとなった。したがって、ftsH変異はβ-ラクタマーゼの分泌阻害と、PBP3の分泌速度の低下または分泌後のアセンブリーの阻害を引き起こす。いずれの阻害もシャペロンの一種であるGroEの過剰産生によって部分的に回復することからFtsHとGroEの機能に何らかの共通点、即ちFtsHがシャペロン様の機能を持つことが示唆された。ftsH変異株ではGroE活性は有意に低下していなしので、ftsH変異の効果はGroEを介したものとは考えにくい。したがって、FtsHは膜結合性の新しいタイプのシャペロンと考えられる。 京都大学のグループとの共同研究によって、FtsHは膜蛋白の安定なアンカーリングに働くことが示された。これもFtsHのシャペロン機能で説明できる現象である。一方、他の分泌蛋白への影響は、高温感受性ftsH変異株ではOmpAやMalEについてわずかな遅れを認めたが、これが有意か否か明かでない。そこで変異FtsH蛋白を発現する系やFtsH蛋白質が極端に減少する株を作製して解析した結果、OmpAの分泌が有意に遅れることが分った。 FtsH蛋白の精製は、約70%の純度まで進んでおり、まもなく生化学的解析に十分な標品が得られるものと期待される。遺伝学的解析により、これまで全く独立に同定されていた遺伝子hflBとtolZ遺伝子と同一であることを明かにした。
|