研究分担者 |
新川 詔夫 長崎大学, 医学部, 教授 (00111170)
中村 祐輔 癌研究会癌研究所, 生化学部, 部長 (70217909)
岡山 博人 東京大学, 医学部, 教授 (40111950)
森 正敬 熊本大学, 医学部, 教授 (40009650)
多田 啓也 (夛田 啓也) 東北大学, 医学部, 教授 (20046907)
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研究概要 |
病因遺伝子の単離:中村班員は多数の遺伝子マーカーを用い、乳癌、大腸癌(Human Genet.91:307,1993)、肝癌(Cancer71:3859,1993)、多発性内分泌腺腫瘍などの原因遺伝子を解明した。班長等は辻班員等と連鎖解析でmicrosatelliteを用い、Machado-Joseph病の座位を14q24.3-q32に決定した(Nature Genetics 4:300,1993)。清水班員はEwing肉腫などを、新川班員もWaardenburg症候群を解明した(Genomics 16:169,1993)。岡山班員の開発した発現ベクターのpcD2(Biotechnology 24:270,1993)を用いて折居班員はZellweger症候群の病因遺伝子を単離した。amiloidopolineuropathyの病因として班長らはgelsolinの変異を単離し(Ann.Neurol.33:57,1993)、三輪班員も溶血性貧血の病因遺伝子を単離した(Blood 81:2439,1993)。 病因遺伝子の解析:木村班員は肥大性心筋症のbetaミオシン重鎖遺伝子変異を解析した。森班員、佐伯班員は尿素回路酵素群の遺伝子の制御機構を明らかにした(J.Biol.Chem.268:11125,1993)。班長は組織特異的なalternative splicingを解析した(J.Biol.Chem.268,2450,1993)。転写要素の上位の情報伝達系で重要な低分子量Gタンパク質の解析は、neurofibroomatosisやchoroidenreiaの解明に重要であるので、特に高井(J.Biol.chem.268:3025,1993)、東江班員が担当した。原田班員はリガンド系のaromatase変異を解明した。林班員はmt(ミトコンドリア)のDNA欠損のrho°株を開発し、班長と共に老化の遺伝子変異がmtDNAにとらない事を示した(J.Biol.Chem.269印刷中、1994)。mtDNAの変異はその集中する臓器によって多様な臨床像をしめす。班長らはこの変異が脳下垂体に集中した症例を解明した(J.Neurol.Sci.120:174,1993)。岡班員が示したように病尿病の600万人の患者中少なくとも2%がmtDNA変異の膵臓への集中による事が明らかになったので、mtDNAによる遺伝子病は我国最大の遺伝子病となった。
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