研究課題/領域番号 |
04260202
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
柴原 茂樹 東北大学, 医学部, 教授 (70206142)
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研究分担者 |
鈴木 裕行 東北大学, 医学部, 助手 (10235997)
冨田 靖 東北大学, 医学部, 講師 (70108512)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | チロシナーゼ / メラニン / アルビニズム / エンハンサー / 遺伝子発現 / 色素細胞 |
研究概要 |
眼皮膚型アルビニズム(OCA)は常染色体性劣性に代謝異常症であり、全身のメラニン色素の減少ないし欠損による典型的な症状(色白、白髪、赤眼)を呈する。我々はすでにOCAが、メラニン合成の律速酵素であるチロシナーゼの遺伝子の変異によることを明らかにしている。本研究では、ヒトチロシナーゼ遺伝子の上流領域の変異によるOCAの診断法を確立するために、同遺伝子のプロモーター機能を解析した。 1.チロシナーゼ遺伝子の発現系の確立。ヒトチロシナーゼ遺伝子のプロモーター機能の解析のためには、色素細胞特異遺伝子の転写が可能な一時的発現系を開発する必要がある。我々はメラニン合成能を保持しているヒトメラノーマ由来のMeWo細胞が、このような目的に適していることを見いだした。すなわち、チロシナーゼ遺伝子の上流領域をプロモーターに、ホタルのルシフェラーゼ遺伝子をレポーターとして持つような融合遺伝子を構築しMeWo細胞に導入したところ、ルシフェラーゼ活性が効率よく発現された。一方、チロシナーゼ遺伝子を発現していないHeLa細胞では、融合遺伝子の有意な一時的発現を検出できなかった。なお、融合遺伝子の発現効率の違いを補正するための内部コントロールとして、SV40プロモーター制御下にあるβ-ガラクトシダーゼ遺伝子の発現を調べた。2.チロシナーゼ遺伝子の色素細胞特異的エンハンサーの存在。ヒトチロシナーゼ遺伝子の色素細胞特異的発現には、転写開始点の近傍領域のみでは不十分であり、転写開始点の上流約1.8キロ塩基対に存在するエンハンサーが必要である。同エンハンサーは39塩基対からなり、異種遺伝子プロモーターであるSV40プロモーターに対しても有効に機能し、その制御下にあるレポーター遺伝子のMeWo細胞特異的な発現をもたらす。 以上の成果により、ヒトチロシナーゼ遺伝子のエンハンサー及びプロモーター機能の異常によるOCAの診断が可能となった。
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