研究課題/領域番号 |
04260211
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤田 潤 京都大学, 医学部, 教授 (50173430)
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研究分担者 |
中山 広樹 京都大学, 医学部, 助教授 (70212107)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1992年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 骨硬化症 / 変異マウス / 子宮内反症 / PCR / 生殖細胞 |
研究概要 |
ヒト骨硬化症は、貧血、血小板減少、骨折、発育不全等を伴い幼児期に死亡する重篤なものから、ほとんど無症状のものまであり、その遺伝株式もさまざまである。また原因遺伝子も同定されていない。マウスで骨硬化症をおこす突然変異としては、M-CSFの変異であるop、今回クローニングを試みているmiなどが知られている。我々は最近mi遺伝子座の産物が、c-kit及びM-CSFレセプターといったチロシンキナーゼ活性を持つレセプターからのシグナル伝達に関与していることを見いだし報告した。c-kit遺伝子の変異はW突然変異として知られていたもので、造血細胞(肥満細胞を含む)、色素細胞、生殖細胞への影響が認められている。今年度は1.c-kitの変異(W変異)では生殖細胞が欠損するが、mi変異マウスでは形態的に卵巣、精巣の組織に異常がなく、生殖細胞等もc-kit蛋白を正常に発現していることをあきらかにした。さらに機能的にも雌雄ともに生殖能力をもつことを、かけあわせにより示した。しかし非常に高頻度に子宮内反症を発生すること、これが母親の変異に依存していることを見い出した。ヒト子宮内反症のよいモデルになると期待される。2.c-kit遺伝子の発現が、正常マウスの子宮、胎盤で肥満細胞以外にも認められ、妊娠時期とともに発現部位が変化することを認めた。またmi変異マウスでは肥満細胞が欠損しているものの胎盤のc-kit発現細胞には異常がないことは、細胞系列によってはmi遺伝子座産物がc-kitからのシグナル伝達に関与していない。あるいは他の遺伝子産物がmiの機能を代償し得るという可能性をさらに支持した。3.微量のサンプルを用いてmRNA量を定量する方法をPCR法の応用により確立した。しかしmRNA発現応の違いをもとにmi遺伝子をクローニングする試みは、技術的な問題が多くさらに改良中である。
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