研究課題/領域番号 |
04260214
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
河野 典夫 大阪大学, 医学部, 助教授 (30093412)
|
研究分担者 |
嶺尾 郁夫 大阪大学, 医学部, 助手
桑島 正道 大阪大学, 医学部, 講師 (00205262)
|
研究期間 (年度) |
1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | ホスホフルクトキナーゼ / グリコーゲン病 / 分子生物学 / アイソザイム / PCR法 / allele診断 / オリゴヌクレオチド / 遺伝子変異 |
研究概要 |
解糖系の律速酵素であるホスホフルクトキナーゼ(PFK)の筋型アイソザイムの欠損症は、グリコーゲン病VII型として知られる。研究会表者はこれまで本症が発見された教室にあって、その病態分析に寄与し、筋原性高尿酸血症の概念の提唱と筋グリコーゲン病におけるその病態生化学の解明をおこなった。一方、分子学物学手法を導入して本症の発端家系、すなわち世界第一例の遺伝子異常をグリコーゲン病の全病型のなかで初めて同定してきた。本研究は、単一遺伝子病としての本症の分子多様性の有無の検討と、発症にいたる分子機構を包括的に解明していくことを目的にしている。今年度の成果としては次の二点が挙げられる。1PFK欠損症では特徴的に溶血が認められる。これは赤血球PFKの構成サブユニットの半分が筋型アイソザイムであることによる。逆にこの点に注目し、筋型PFKのmRNAを溶血のため増加した網状赤血球から分離し、逆転写酵素・PCR法によって全翻訳領域を増幅・分析するシステムを完成した。2点突然変異などの経微な遺伝子変異はラジオアイソトープをもちいて従来ハイブリダイゼーション法で同定していた。今後ますます簡便で迅速な遺伝子診断システムが必要となることを考慮し、PCR法のみでハイブリダイゼーションを必要としないallele診断法(PCR-ASO法)を開発した。本法の最大の利点はハイブリダイゼーションに用いていたオリゴプローブがそのままプライマーに利用できる点である。これらの方法によって現在第一家系と血縁を有さない複数の欠損症家系を分析可能な状態であり、すくなくとも二つの家系において第一家系とは同一の変異を有さないことが現に確認できている。これは本症の分子多様性を分析する本研究の命題に大いなる成果と考える。
|