研究課題/領域番号 |
04260219
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
木村 彰方 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (60161551)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1992年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 優性遺伝病 / 肥大型心筋症 / 心筋ミオシン重鎖 / 連鎖解析 / 遺伝的多型性 / PCR |
研究概要 |
肥大型心筋症の原因遺伝子の1つである心筋βミオシン重鎖遺伝子について、ミオシン重鎖分子の収縮機能上重要であると考えられるエクソンを含む第3〜第25エクソンを対象としたPCR-SSCP法による遺伝的多型性解析を行った。互いに関連のない本症患者116名ならびに健常人46〜96名を対象に行った解析から、本症患者に特異的なミスセンス変異を7種と健常人にも認められる同義置換を5種見出した。このうち3種のミスセンス変異については、複数の互いに関連のない患者にを見出されたこと、また調査した限り全てのミスセンス変異は同一家系内では疾患と連鎖することが示された。従って、日本人症例の一部(20〜30%)では心筋βミオシン重鎖遺伝子変異が本症の原因と考えられた。またミスセンス変異を有する患者40名中36名が本症と診断されており、ミスセンス変異に基づく本症の浸透率は、少なくとも90%であると考えられた。これまでのところ、日本人本症多発家系34家系中8家系にミスセンス変異を見出しているが、心筋ミオシン重鎖遺伝子イントロン内の2箇所のCAリピートを用いた連鎖解析により、本症とミオシン重鎖遺伝子との連鎖が否定される家系が8家系存在することを明らかにした。ミオシン重鎖遺伝子座位との連鎖の有無によらず、本症患者の病像、病態は同一であったことから、本症は臨床的には区別できないが遺伝子的に不均一な疾患であるがことがわかった。さらにミオシン重鎖遺伝子座との連鎖が否定的な8家系について、種々の染色体上のDNAマーカーとの連鎖検定を行った結果、第18染色体長腕上のPALBとの連鎖が強く示唆されるデータを得た(浸透率80%以上で、ロッド値が3を越える)。現在YACライブラリーよりPALBを含むクローンを5種単離し、PALB周辺のDNAマーカーの検索ならびに種を越えて保存される領域をスクリーニング中である。
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