研究課題/領域番号 |
04260223
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
田中 あけみ 大阪市立大学, 医学部, 助手 (30145776)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | Tay-Sachs病 / β-ヘキソースアミニダーゼαサブユニット / 遺伝子解析 / 変異酵素蛋白 / スプライシイグ変異 / 乾燥瀘紙血スクリーニング |
研究概要 |
[目的]前年度において、Tay-Sachs病の患者24例のβ-ヘキソースアミニダーゼ、αサブユニット遺伝子の解析を行い、患者の対立遺伝子の80%にも及ぶ変異を見つけた。これは、イントロン5の3′末端のGがTに置換されたものであった。今年度は、この変異遺伝子により作られるαサブユニット蛋白の性質を調べるとともに、乾燥瀘紙血を用いて日本人集団におけるこの変異遺伝子の頻度を調べた。さらに、他の遺伝子変異についても検索した。[方法](1)Northern blot法により、変異遺伝子から産生されるmRNAの大きさと量を調べた。(2)DEAE-セルロースカラムでヘキソースアミニダーゼのAとRを分け、変異酵素蛋白の性質を調べた。(3)COS細胞に変異c-DNAを導入して、発現実験を行った。(4)乾燥瀘紙血よりDNAを抽出し、allele specific oligonucleotide hybrdization法により変異遺伝子の有無を調べた。(5)その他の変異対立遺伝子については、PCRでαサブユニットのc-DNAを増幅し塩基配列を求めた。 [結果](1)イントロン5の3′末端の一塩基置換によりエクソン6が完全に欠失するスプライシングの異常を来していた。mRNAは、正常の長さより短く、正常の量の約3/4であった。その他の異常なスプライシングは、起こっていなかった。(2)ヘキソースミニダーゼをDEAE-セルロースカラムでAとBとに分けた各々について、4-MU-GlcNAcと4-MU-GlcNAc-6SO_4とのそれぞれの基質で活性を測定したところ、変異αサブユニット蛋白は、βサブユニットと結合はできるが、酵素活性は持ち得ないと推測された。(3)遺伝子発現実験でも、変異酵素蛋白は、活性を示さなかった。(4)乾燥瀘紙血を用いたスクリーニングから、保因者頻度は1/137.6人、患者頻度は1/59.631人と計算された。(5)その他の変異対立遺伝子は10個で、うち1つは別のスプライジング変異、5つはmissese mutation4つはmRNAを産生しないものであった。
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