研究課題/領域番号 |
04260227
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
宝来 聰 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系人類遺伝研究部門, 助教授 (40126157)
|
研究分担者 |
埜中 征哉 国立精神, 神経センター・神経研究所・微細構造研究部, 部長 (80040210)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | ミトコンドリア脳筋症 / 慢性外眼筋麻痺症候群 / ミトコンドリアDNA / 塩基配列 / DNA診断 / ヘテロプラスミィー |
研究概要 |
ミトコンドリア脳筋症に関しては、1990年以来、MELASにおけるtRNA^<Leu(UUR)>種類の点突然変異(塩基番号3243及び3271)、MERRFにおけるtRNA^<Lys>(塩基番号8344)の変異が、相次いで我々の研究グループにより報告された。しかし、これらの変異の同定されないミトコンドリア脳筋症や、大きな欠失の観察されない慢性外眼筋麻痺症候群(CPEO)はミトコンドリアDNA上の変異と疾患との関連は未だ不明である。我々はこれらの疾患においてミトコンドリアDNAの全tRNA領域の塩基配列を決定する研究を継続してきた。その結果、複合体I欠損を呈するミトコンドリア脳筋症患者に、上記のいずれでもない新たな点突然変異を発見した。この変異(塩基番号3250)はtRNA^<Leu(UUR)>のDHUループ上にあり、転写終結因子の結合ドメインの中にある。簡便なDNA診断を行なうため、この変異があれば制限酵素(Nael)の認識部位を新たに生じる様なPCRプライマーを作成し家系調査を行ったところ、複数のメンバーにこの変異が観察され、いずれも正常型DNAが混在するヘテロプラスミーであった。欠失をもたないCPO9例の解析では、6例の患者で各々1箇所あるいは2箇所に、計6箇所のtRNA遺伝子下塩基置換 [tRNA^<Glm>(塩基連号4343及び4386)、tRNA^<Ala>(5601)、tRNA^<Arg>(10410)、 tRNA^<Leu(CUN)>(12311)、tRNA^<Thr>(15927)]を認めたが、患者間に共通した変異はなかった。さらに制限酵素を用いたDNA診断により、tRNA^<Leu(CUN)>(12311)変異以外はいずれもホモプラスミーであること、正常人にも存在する変異であることが明らかとなり、これらの塩基置換が疾患異的な変異でなく多型であると結論した。しかし、tRNA^<Leu(CUN)>(12311)変異は90名の正常対照には見いだされず、今後多くの症例による検討が必要である。
|