研究課題/領域番号 |
04261206
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
中井 謙太 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (60217643)
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研究分担者 |
坂本 博 神戸大学, 理学部, 助教授 (00187048)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1992年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | RNAスプライシング / 異常スプライシング / データベース / ニュートラル・ネット |
研究概要 |
異常スプライシングの原因になっている部位を統計的に調べてみれば、塩基配列上でどこがスプライス部位選択に重要かが浮び上がってくることを期待して、異常スプライシングデータベースを構築した。その結果、ほとんどの変異はイントロン境界のコンセンサス配列上に集中していることがわかった。これは従来からの知見を裏付けるもので、特に目新しくはないが、その他にも、例えばエキソン内部の変異が原因になっていると思われる例もいくつかあった。これらの知見は、今後のスプライス部位の予測精度向上に役立てることができそうである。 一方、データベースからは、スプライス部位選択ルールそのものについても、興味深い示唆が得られた。まず5′部位に起こる変異の数が3′部位より有意に多いように見えるが、この現象は、3′部位は5′部位の候補位置の情報を加味して決められると考えると設明できる。一方、エキソンの読み飛ばしが最も頻繁に起こっているのは、イントロンの両端がセットとして認識されているからと考えるのが自然であり、代替部位の活性化現象において、スプライス部位選択は、正常な場合の情報なしに、その近くが選ばれる事自体、「適当な」位置をエキソン長の情報から決めているからと解釈できる。これらはBergetらのいう「エキソン定義」の仮説を基本的に支持するものであり、ここまでの結果は現在投稿準備中である。 次に考えるべき問題は、どのようにしてこれらの新しい考え方を予測法に取り入れるべきかということである。とりあえず、エキソン長の「好み」を取り入れたニューラル・ネットのモデルを試作した。今のところ、予備的な結果しか得られていないが、エキソン認識の基礎として重要なエキソン長の分布を導入すると、予測にプラスになるらしいことが確かめられた。
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