研究課題/領域番号 |
04263201
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
岡本 洋 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (70103877)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1992年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 血管平滑筋 / ミオシン / アクチン / 光化学切断 / バナジン酸 / ATPase活性 / 運動調節機能 / 筋収縮 |
研究概要 |
平滑筋のゆっくりとした収縮速度は張力発生は、横紋筋のそれらと際だった対照を示している。これは収縮の調節機構の違いだけで説明されるものではなくミオシンとアクチンの結合の性質の違いを反映しているものと考えられる。我々はタンパク質構造の特異的な改変によって機能の違いを理解したいと考えた。用いたミオシンは本補助金で購入した遠心分離機によって調製した。ミオシンATPase反応はオルトバナジン酸(Vi)によって強く阻害される。これはViが無機リン酸(Pi)のアナログとして作用し、ADPとともにATPase活性中心に非常に安定な結合をするためである。我々は、この不活性化複合体が光に敏感で波長300〜400n7の光を照射するとすばやく分解し酵素活性が回復することを見つけた。この時、試料溶液中に1mMのバナジン酸を加えておくとミオシン重鎖の特異的切断が生じた。いずれの軽鎖にも切断はなく消化酵素にくらべて特異性が優れている。重鎖には二箇所の切断が認められ、その位置はアミノ末端から23kDa(V1)及び74kDa(V2)と判明した。第一にV1とV2の両方が切断されるとATPase活性は急激に低下したがV2のみの切断では二価金属イオン依存性の活性がよく保たれていた。第二にアクチン依存性Mg^<2+>-ATPase活性を見ると二箇所の切断では速やかに活性が失われていくのに対し、V2のみの場合にはコントロールの約30%まで低下し以後変化が無かった。第二の点についてアクチン依存性Mg^<2+>-ATPase活性のアクチン濃度依存性を調べたところ親和性が低下しただけで最大活性値は変化していないことが判明した。平滑筋のミオシンを用いて同様の光化学切断を行ったところ横紋筋ミオシンのV2部位に相当する部位で切断が生じた事がわかった。平滑筋ミオシンの軽鎖を破壊することなくアクチン親和性を変化させることなくアクチン親和性を化させる方法として光化学的切断法が有効である。
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