研究課題/領域番号 |
04263212
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
豊岡 照彦 東京大学, 保健センター, 教授 (00146151)
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研究分担者 |
東丸 貴信 東京大学, 医学部(病), 助手 (60180163)
嶋本 典夫 東京大学, 医学部(病), 医員
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 共存培養 / EDRF / 細胞内カルシウム / autocrive現象 / paracrive現象 |
研究概要 |
本年度の研究助成を頂き、下記の成果を挙げ、論文発表する事ができた。 (1)血管平滑筋細胞と内皮細胞の共存培養 血管細胞の生理、薬理研究には、上記二種の細胞を各々単独に培養したのでは不十分で、更に生体に近い条件の共存培養が理想とされている。当研究室では多くの試行錯誤の結果、両者の共存培養条件を確定した。 (2)共存培養における薬理実験 血管細胞刺激として低濃度のATPを用いると、投与間隔を30分以上空ければ連続投与しても同一の反応を再現できる事が示された。この為以下の薬理実験に非常に有益であった。 平滑筋細胞または内皮細胞のみ培養してTAP刺激をすると、両者とも一過性に細胞内Ca^<2+>濃度が増加し、3分後に投与前の値に戻る事を、既に筆者らの開発した二次元蛍光画像解析装置で観測した。次に両者を共存培養して同一条件で刺激すると、内皮細胞内Ca^<2+>濃度は単独培養の時と同様一過性に上昇したが、興味有る事に隣接する平滑筋細胞内のCa^<2+>濃度は約2秒遅れて下降し、約5分後に前値に復した。 上記の反応は内皮細胞から放出されるEDRFの作用による事を、lNMMA.メトヘモグロビンおよびメチレン青で確認した。しかし、エンドセリンやPGI_2(プロスタサイクリン)の作用ではない事も、各々の中和抗体や合成阻害剤の投与によって確認した。 またこの過程でEDRF阻害剤の作用として、平滑筋細胞内Ca^<2+>動態の変化は、そのpceracrive作用として説明され、内皮細胞内Ca^<2+>の変化は、自身の細胞のEDRFが働きかけるautocrive作用として、説明された。
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