研究課題/領域番号 |
04263214
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
唐木 英明 東京大学, 農学部, 教授 (60011912)
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研究分担者 |
堀 正敏 東京大学, 農学部, 助手 (70211547)
尾崎 博 東京大学, 農学部, 助教授 (30134505)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1992年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 内皮細胞 / 平滑筋 / エンドセリン / 細胞内Ca |
研究概要 |
これまでのところ以下の点が明かとなり、またさらに研究を進めている。 1.エンドセリン-1(ET-1)の1-10番目のアミノ酸を切断したET(11-21)(IRL-1038)を合成した。この物質はBタイプのレセプターでETと特異的に拮抗することを各種臓器から作成した膜標本で確認した。今後、ET-Bの特異的阻害剤として利用されることが期待される。 2.ラット大動脈血管平滑筋でET-3がET-B受容体を介して血管内皮の細胞内Ca濃度を増加させ、一酸化窒素を合成し、平滑筋の細胞内Ca濃度を下げ、収縮を抑制することを、fura-2法により確認した。その際、ET-Aの特異的阻害剤であるBQ123とET-Bの阻害剤でありIRL-1038を使用し、これらの阻害剤の有要性を確認した。 3.子宮平滑筋でETはET-A受容体を介して収縮を発生させた。ETに対する感受性は妊娠子宮で高く、ETが生理的な分娩誘発物質であることが予想される。さらに、妊娠・非妊娠子宮ではETによるCa流入経路が異なることが明となった。現在、電気生理学的手法により、Caチャネルの性格を比較している。 4.気管平滑筋は、ET-1により細胞内Ca濃度が増加し、強く収縮する。同様にカルバコールも収縮を発生させるが、両収縮性アゴニストは収縮蛋白系のCa感受性も増加させ、高濃度K収縮に比べ、同程度の細胞内Ca濃度の上昇時により大きな収縮を発生させる。L型Caチャネル阻害剤のnicardipineは細胞内Ca濃度と収縮の一部を抑制するのに対して、抗アレルギー剤であるazelastineは両者を強く抑制した。喘息時の気管平滑筋収縮にET-1が関与しているとの示唆がなされているが、本実験ではinvitroの実験でこのことを確認し、さらに抗アレルギー剤の有用性を示した。内皮細胞に対するazelastineの効果にも興味が持たれる。
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