研究課題/領域番号 |
04263233
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
中山 貢一 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (50112769)
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研究分担者 |
石井 邦雄 静岡県立大学, 薬学部, 助教授 (90137993)
田中 芳夫 静岡県立大学, 薬学部, 助手 (60188349)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ブタ冠動脈 / イヌ脳動脈 / エンドセリン-1 / セロトニン / ニューロペプチドY / 急速伸展刺激 / プロテインキナーゼC / Ca^<2+>チャネル |
研究概要 |
成人病の代表的疾患である心臓・脳循環境害の発症の場である冠動脈と脳動脈を用いて、内因性の血性攣縮関与推定因子による収縮機能発現の基間的な過程と、これらに因子の複合刺激による相乗的な機能発現の異常亢進機構を、薬理学的・生物工学的手法を用いて解析し、刺激受容を機能発現に増幅変換する細胞内機能因子の定量測定を行い、以下の実験結果を得た。 1.摘出ブタ冠動脈のエンドセリン-1(ET-1)とセロトニン(5-HT)の複合刺激による相乗的収縮増強効果に関与する収縮系のCa^<2+>感受性亢進機構が、プロテインキナーゼC(PKC)を介することを薬理学的機能発現実験から示した。しかし、本酵素活性化の指標であるPKCの細胞質から膜への有意な移行は認められず、収縮系のCa^<2+>感受性の亢進という機能発現とは乖離している可能性を示唆した。急速開放実験からは、アクチンとミオシンの架橋(クロスブリッジ)が回転する活性化状態が保持されている可能性を示唆し、エネルギー消費の少ないキャッチ状態との差異を明らかにした。 2.脱分極時や低濃度のET-1存在下では、ニューロペプチド(NPY)による摘出イヌ脳動脈における収縮機能発現が著明に促進させることを見い出した。また、ET-1が、摘出イヌ脳動脈へのバイオメカニカル刺激、例えば、急速伸展刺激による収縮反応を極めて低濃度範囲で増強することを明らかにし、いずれの場合も、L-タイプの電位依存性Ca^<2+>チャネルを介するCa^<2+>流入に強く依存することを示した。従って、内皮の形態的・機能的障害の際、血小板活性化、交感神経興奮性亢進、血管への伸展刺激とET-1との複合効果による血管の収縮性機能の育常発現の抑制という点で、Ca^<2+>チャネル拮抗薬やPKC阻害薬が極めて有効であることを明らかにした。以上の研究成果の一部は、国際シンポジウムや国内諸学会で発表し、または、発表予定でいる。さらに、英語論文として発表する。
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