研究課題/領域番号 |
04263241
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
南野 直人 国立循環器病センター研究所, 薬理部, 室長 (50124839)
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研究分担者 |
松尾 壽之 国立循環器病センター研究所, 所長 (50028685)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1992年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 血管内皮細胞 / 血管平滑筋細胞 / ナトリウム利尿ペプチド / 血管作動性ペプチド / 細胞増殖抑制 / CNP |
研究概要 |
血管を構成する血管内皮-平滑筋細胞系の複雑な機能調節機構を探るため、ペプチド性物質を中心とした未知因子の検索を、培養内皮細胞および培養平滑筋細胞のセカンドメッセンジャー(cAMP,cGMP,Ca2^+など)の変動や細胞増殖および抑制活性、あるいは単離血管平滑筋およびヒヨコ直腸の収縮、弛緩反応などを指標として行なった。現在までに既知の血管作動性ペプチドとクロマト上における挙動の異なる10種以上のペプチドを単離することができたが、これらは残念ながらCGRP、VIPあるいはナトリウム利尿ペプチドの部分的に分解を受けたペプチドや一部転移したペプチドであった。現在さらに対象組織やアッセイシステムを変更、改良しながら精製を続けている。 一方一上記の未知因子の検索と並行し、本年度は新規血管作動性ペプチドで第3のナトリウム利尿ペプチドであるCNPについて検討を行った。CNPは血管弛緩活性や培養血管平滑筋細胞の増殖抑制などの機能を有するものの、中枢神経系でのみ発現し、末梢組織では機能していないと推定されていた。ラット末梢組織におけるCNP遺伝子の発現やペプチドの分布を詳細に検討した結果、下垂体、胃、腸管とともに大動脈、腎、睾丸などでもCNPがペプチドとして存在していることを確認した。最近我々は、ヒト単球系細胞株(THP-1)がフォルボールエステル刺激によりマクロファージ様細胞に変化しCNPを産生すること、GC-B受容体を遺伝子発現した細胞にCNPを投与すると、培養血管平滑筋細胞と同様に細胞増殖が抑制され、GC-B→cGMP系が一般的に細胞増殖抑制活性を有することを報告した。これらのことを総合すると、末梢組織においてもCNPは発現しており、全身に存在するGC-B受容体にパラクライン的に作用し、細胞増殖の抑制活性をはじめとする種々の生理的機能を発揮しているものと推定された。
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