研究概要 |
リボソームの5'末端から1100から1400の部位を増幅するプライマーを合成し,これを用いて微生物相の分析を試みた。モデル実験として大腸菌と枯草菌を用いた系では菌体重量と分析結果はよく相関していた。そこで,この方法をUASBと呼ばれているメタン発酵槽の汚泥に適用した。メタン菌は極めて培養が困難で菌相の分析は不可能な状況であったが,この方法ではおおよその菌相を推定できた。UASBの場合は約60%がMethanothrixであった。さらに,この方法を深海に生息するシロウリガイ共生細菌の分析に適用した。この貝から検出された細菌はイオウ酸化細菌と類似したものであったが,既知の種には同じものが見い出されない新しイタイプのものと判断された。これとは別に緑藻類葉緑体の起源をリボソームRNA配列から検討し,こくつかの新しい知見を得た。
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