研究課題/領域番号 |
04266207
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
豊島 近 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (70172210)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1992年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | チトクローム酸化酵素 / 電子伝達系 / 三次元構造 / 二次元結晶 / 膜蛋白質 / 低温電子顕微鏡法 / 氷包埋法 / 画像解析 |
研究概要 |
本年度はチトクローム酸化酵素の種々の二次元結晶を作製し構造解析を行った。この結果、まったく新しいタイプの二次元結晶の作製に成功し膜内の構造が直接可視化できた。この結果は、他の膜蛋白質の構造解析にも大きな影響を与えるものと考えられる。 牛心筋由来のチトクローム酸化酵素の二次元結晶に関しては、モノマーとダイマーをそれぞれ単位とする二つの結晶系が知られており、三次元像再構成がなされてきた。この結果から、モノマーはy字型をしておりダイマーはそれを単純に二つ並べたものと考えられてきた。我々は、脂質二重膜中に再構成した二つのタイプの結晶を負染色法と氷包埋法で解析することにより、モノマーはもっと複雑な形をしており、単位胞の大きさから、ダイマー形成時には膜内領域を含む分子の大部分が重なり合わねばならず、大きなコンフォメーション変化が起こっていることが示唆された。 さらに、結晶化条件の検討によりチューブ状結晶の作製に成功し、さらにこのチューブを開いて二次元結晶を作ることに成功した。この二次元結晶中では、分子は分子一個分の幅しかない短冊状の脂質二重膜に埋まっており、それが積み重なって二次元結晶を作っているという全く新しい型の二次元結晶であった。このようなものが安定に存在するというのは驚きであるが、ともかく膜内の複雑な構造が初めて直接可視化できた。同時に、通常のタイプの二次元結晶からの情報と組み合わせることにより、いわゆるmissing cone問題も解決できる。現在、三次元像再構成のためのデータを収集している。傾斜角約45゚迄の像が得られている。
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