研究概要 |
本研究では,次の主要な成果を得た。 1)HPLCを用いリポソームへの再構成能と文献上最も比活性の高い活性(15-18ユニット)を保持した高純度の酵素の迅速な精製法を開発。次いで、本酵素のエネルギー変換複合体であるF_0のサブユニットを単離精整する方法を開発し,プロテインシークエンサーやcDNAクローニングによりラットのサブユニット(subunti c(2種),subunit d,subunit e,ATPase inhibitor protein,ollgomyicn sensitivity congerring上protein)とヒトのサブユニット「subunit c(2種)」の一次構造を決定.これらのサブユニットの一つであるsubunit eの34-65のアミノ酸配列が,troponinTやcaldesmon等のCa^<2+>-依存性のtropomyosin結合部位の共通配列と高いホモロジーがあることが判明した.従って,subunitがCa^<2+>による本酵素活性の制御に係わっていることが強く示叉される. 2)申請者らが発見した一群の異方性エネルギー変換阻害剤を用いて,H^+-ポンプにおけるエネルギー変換機作を調べ,従来の化学浸透圧説では説明できないことを確証.H^+-ポンプのエネルギー化状態では,ポンプ内の平行板コンデンサー様の新場が発生しており,この電場にH^+がトラップされポンブ内及びその近傍に高いポテンシャルが発生していることが強く示唆される.
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