研究課題/領域番号 |
04266220
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
松井 英男 杏林大学, 医学部, 教授 (50086485)
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研究分担者 |
誉田 晴夫 杏林大学, 医学部, 講師 (30086574)
井上 順雄 杏林大学, 医学部, 講師 (50159985)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1992年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 培養神経細胞 / Naポンプ / Na^+,K^+-ATPase / ウアバイン結合 / カリウム取込 / グルタミン酸刺激 |
研究概要 |
神経興奮によるNaポンプアイソフォームの共役制御機構には細胞内情報伝達にカルモジュリン系の関与が示されたが、out putとしての活性の増大がポンプ機能(分子活性)の増大なのかポンプ数の増大によるのかが不明のため、H^3-ウアバイン結合実験を行いNaポンプ数の測定を試みた。実験方法はK^+取込みによるNaポンプ活性測定の標準反応液に ^3H標識ウアバインを1μM加えて細胞をインキュベーションし、得られた結合量から0.5mM非標識ウアバインで希釈して得た値を非特異的結合として差し引いたものを特異的ウアバイン結合量とした。 1)ウアバイン結合の濃度依存性では、高感受性結合分は1〜3μMで飽和し、脳型ポンプ活性の阻害曲線と一致し、Kdはほぼ5×10 ^<-8>Mと計算された。なを、普遍型ポンプへの結合は親和性が2桁以上低いので非特異的結合部位を区別することが困難で特異的結合の測定が出来なかった。2)結合の時間経過を見ること、0.1μMでも1μMでも飽和結合量に達するのに約40分を要した。これは膜断片ヘの結合と異って、培養器壁に接着してコンフルエントな状態の細胞のポンプ部位に、ウアバインが拡散接近するために時間を要するものと思われた。3)高感受性ウアバイン結合量は20pmol/mg proteinで、この細胞の膜分画のNa^+,K^+-ATPase活性に見合う量であった。4)グルタミン酸刺激を行ってもウアバイン結合量に変化が認められなかった。5) ^<42>Kと ^3H-ウアバインを使った2重標識実験を行い、ポンプの分子活性を計算した。分子活性は3.5/秒からグルタミン酸刺激で8.6/秒と約3倍に上昇した。至適条件下のNa^+,K^+-ATPaseの分子活性約140/秒と比較するとポンプの活性は2.5%及び6.2%と低値であり、神経細胞におけるNaポンプ活性には充分ゆとりがあり、ポンプ活性の調節にはポンプ数の増加は関与しない事が示された。
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